リスク管理2020年10月1日時点の法令に基づく出題です
2021年5月 FP2級学科 問18
契約者(=保険料負担者)を法人とする損害保険契約の経理処理に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1すべての役員・従業員を被保険者とする普通傷害保険に加入した場合、支払保険料の全額を損金の額に算入することができる。
- 2積立火災保険の満期返戻金と契約者配当金を法人が受け取った場合、いずれもその2分の1相当額を益金の額に算入し、それまで資産計上していた積立保険料の累計額を損金の額に算入することができる。
- 3法人が所有する業務用自動車が交通事故で全損となり、受け取った自動車保険の車両保険の保険金で同一事業年度内に代替車両を取得した場合であっても、圧縮記帳は認められない。
- 4業務中の事故で従業員が死亡し、普通傷害保険の死亡保険金が保険会社から従業員の遺族へ直接支払われた場合、法人は死亡保険金相当額を死亡退職金として損金の額に算入することができる。
正解と解説AI解説
正解 肢1
本問の論点
法人が契約者となる損害保険契約について、保険料や保険金・満期返戻金の経理処理を問う問題です。傷害保険の保険料の扱い、積立保険の満期時の処理、車両保険金と圧縮記帳、死亡保険金の受取人による違いを整理する必要があります。
正解の根拠
すべての役員・従業員を被保険者とする普通傷害保険は、特定の者だけを優遇するものではなく、全員を対象とした福利厚生として扱われます。そのため、支払保険料の全額を損金の額に算入することができます。よって、正解は肢1。
各肢の検討
肢1:適切。上記のとおり、全額を損金に算入できます。
肢2:不適切。満期返戻金と契約者配当金は、その全額を益金に算入し、資産計上していた積立保険料の累計額を損金に算入します。2分の1相当額ではありません。
肢3:不適切。保険金で同一事業年度内に代替資産を取得した場合は、法人税法第47条第1項により、圧縮限度額の範囲内で圧縮記帳ができます。
肢4:不適切。死亡保険金が遺族へ直接支払われた場合、法人は保険金を受け取っていないため、死亡退職金として損金算入する処理は生じません。
一言まとめ
全員加入の傷害保険は全額損金、積立保険の満期は全額益金と累計額の損金算入、と覚えましょう。
一問一答各肢の正誤
○肢1すべての役員・従業員を被保険者とする普通傷害保険に加入した場合、支払保険料の全額を損金の額に算入することができる。
すべての役員・従業員を被保険者とする普通傷害保険は、特定の者に偏らない福利厚生として、支払保険料の全額を損金に算入できる。
×肢2積立火災保険の満期返戻金と契約者配当金を法人が受け取った場合、いずれもその2分の1相当額を益金の額に算入し、それまで資産計上していた積立保険料の累計額を損金の額に算入することができる。
満期返戻金と契約者配当金は、その全額を益金に算入し、資産計上していた積立保険料の累計額を損金に算入するのであり、2分の1相当額ではない。
×肢3法人が所有する業務用自動車が交通事故で全損となり、受け取った自動車保険の車両保険の保険金で同一事業年度内に代替車両を取得した場合であっても、圧縮記帳は認められない。
保険金で同一事業年度内に代替資産を取得した場合は、圧縮限度額の範囲内で損金経理により帳簿価額を減額する圧縮記帳が認められる。
×肢4業務中の事故で従業員が死亡し、普通傷害保険の死亡保険金が保険会社から従業員の遺族へ直接支払われた場合、法人は死亡保険金相当額を死亡退職金として損金の額に算入することができる。
死亡保険金が遺族へ直接支払われた場合、法人は保険金を受け取っておらず、死亡保険金相当額を死亡退職金として損金算入する処理は生じない。
関連条文解説で引用
- 法人税法第47条第1項
出典:日本FP協会 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定学科試験 2021年5月 問18 を加工して作成。本サイトは非公式の学習サイトです。
解説は2020年10月1日時点の法令に基づきます。基準日以降の改正が反映されていない場合があります。本サイトの解説は学習補助を目的とし、税務・投資・法律に関する助言ではありません。