相続・事業承継2020年10月1日時点の法令に基づく出題です
2021年5月 FP2級学科 問54
相続人が負担した次の費用等のうち、相続税の課税価格の計算上、相続財産の価額から債務控除することができるものはどれか。なお、債務控除を受けるために必要とされる他の要件はすべて満たしており、2020年10月に相続が開始したものとする。
- 1被相続人が生前に購入した墓碑の購入代金で、相続開始時点で未払いのもの(負担した相続人が非居住無制限納税義務者である場合)
- 2被相続人に係る初七日および四十九日の法要に要した費用のうち、社会通念上相当と認められるもの(負担した相続人が居住無制限納税義務者である場合)
- 3被相続人が所有していた海外の不動産に係る公租公課で、被相続人が負担すべきもののうち、納付期限が到来していて未払いのもの(負担した相続人が居住制限納税義務者である場合)
- 4被相続人が所有していた国内不動産に係る固定資産税のうち、相続開始時点で納税義務は生じているが、納付期限が到来していない未払いのもの(負担した相続人が相続または遺贈により財産を取得していない相続時精算課税適用者で、かつ、居住者である場合)
正解と解説AI解説
正解 肢4
本問の論点
債務控除ができる債務かどうかを、納税義務者の区分と債務の種類の両面から問う問題である。差し引ける範囲は、納税義務者の区分や債務の性質によって異なる。
正解の根拠
相続時精算課税適用者が相続や遺贈で財産を取得しなかった場合でも、精算課税の対象とした贈与財産は相続により取得したものとみなされる(相続税法第21条の16第1項)。この者が居住者であれば、相続税法第1条の3第1項第1号の無制限納税義務者として債務控除を受けられる。相続開始の際に現に存する債務には公租公課も含まれ(相続税法第13条第1項第1号)、納税義務が生じている固定資産税は納付期限前でも控除できる。よって、正解は肢4。
各肢の検討
肢1:墓所などは非課税財産であり(相続税法第12条第1項第2号)、その取得や管理のための債務は控除の対象とならない(相続税法第13条第3項)。非該当。
肢2:初七日や四十九日の法要費用は、控除できる葬式費用に含まれない取扱いであり、非該当。
肢3:居住制限納税義務者は国内にある財産に係る債務しか控除できず(相続税法第13条第2項)、海外不動産の公租公課は非該当。
肢4:上記のとおり該当する。
一言まとめ
債務控除は「誰が負担するか」と「何の債務か」の二段階で判定する。
関連条文解説で引用
- 相続税法第12条第1項第2号
- 相続税法第13条第3項
- 相続税法第13条第2項
- 相続税法第13条第2項第1号
- 相続税法第21条の16第1項
- 相続税法第1条の3第1項第1号
- 相続税法第13条第1項
- 相続税法第13条第1項第1号
出典:日本FP協会 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定学科試験 2021年5月 問54 を加工して作成。本サイトは非公式の学習サイトです。
解説は2020年10月1日時点の法令に基づきます。基準日以降の改正が反映されていない場合があります。本サイトの解説は学習補助を目的とし、税務・投資・法律に関する助言ではありません。