不動産2021年4月1日時点の法令に基づく出題です
2021年9月 FP2級学科 問42
不動産の売買契約に係る民法の規定に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、特約については考慮しないものとする。
- 1売主から代理権を付与された第三者が売主の所有不動産を売却する場合、その第三者が売買契約の締結時に売主の代理人である旨を買主に告げていなければ、買主がその旨を知ることができたとしても、当該契約は無効となる。
- 2不動産が共有されている場合、各共有者は、自己が有している持分を第三者に譲渡するときには、他の共有者全員の同意を得なければならない。
- 3売買の目的物である建物が、その売買契約の締結から当該建物の引渡しまでの間に、地震によって全壊した場合、買主は売主に対して建物代金の支払いを拒むことができる。
- 4買主が売主に解約手付を交付した場合、相手方が売買契約の履行に着手した後でも、買主はその解約手付を放棄し、売主はその解約手付の倍額を現実に提供して、当該売買契約を解除することができる。
正解と解説AI解説
正解 肢3
本問の論点
不動産の売買契約に関する民法の規定として、代理、共有持分の譲渡、目的物の滅失と代金の支払い、解約手付の解除を問う問題である。
正解の根拠
売買契約の締結後、引渡しまでの間に、当事者双方の責めに帰することができない事由で建物が全壊した場合、売主は引渡しができなくなる。この場合、買主は反対給付である代金の支払いを拒むことができる。よって、正解は肢3。
各肢の検討
肢1:代理人である旨を告げていなくても、相手方が知り又は知ることができたときは、代理人の行為として有効であり、無効とはならないため誤り。
肢2:共有持分は各共有者が自由に譲渡でき、他の共有者全員の同意は不要なため誤り。
肢3:上記のとおり、買主は代金の支払いを拒めるため適切。
肢4:民法第557条第1項は、相手方が履行に着手した後は手付による解除ができないと定めており、着手後の解除は認められないため誤り。
一言まとめ
手付解除は相手方の履行着手前まで、目的物が滅失したら買主は代金を拒めると押さえる。
一問一答各肢の正誤
×肢1売主から代理権を付与された第三者が売主の所有不動産を売却する場合、その第三者が売買契約の締結時に売主の代理人である旨を買主に告げていなければ、買主がその旨を知ることができたとしても、当該契約は無効となる。
代理人であることを示さなくても、相手方が代理人としてしたことを知り又は知ることができたときは、本人に効力が生じ、無効とはならない。
×肢2不動産が共有されている場合、各共有者は、自己が有している持分を第三者に譲渡するときには、他の共有者全員の同意を得なければならない。
共有者は自己の持分を自由に譲渡でき、他の共有者全員の同意を得る必要はないため、同意が必要とする記述は誤りである。
○肢3売買の目的物である建物が、その売買契約の締結から当該建物の引渡しまでの間に、地震によって全壊した場合、買主は売主に対して建物代金の支払いを拒むことができる。
売買の目的物が引渡し前に地震で全壊し、引渡しが不能となった場合、買主は反対給付である代金の支払いを拒むことができる。
×肢4買主が売主に解約手付を交付した場合、相手方が売買契約の履行に着手した後でも、買主はその解約手付を放棄し、売主はその解約手付の倍額を現実に提供して、当該売買契約を解除することができる。
相手方が契約の履行に着手した後は手付による解除ができないため、着手後でも解除できるとする記述は誤りである。
関連条文解説で引用
- 民法第557条第1項
出典:日本FP協会 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定学科試験 2021年9月 問42 を加工して作成。本サイトは非公式の学習サイトです。
解説は2021年4月1日時点の法令に基づきます。基準日以降の改正が反映されていない場合があります。本サイトの解説は学習補助を目的とし、税務・投資・法律に関する助言ではありません。