相続・事業承継2021年10月1日時点の法令に基づく出題です
2022年5月 FP2級学科 問57
相続税の計算に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 1法定相続人が相続の放棄をした場合、その放棄をした者の人数を「法定相続人の数」に含めずに、相続税の計算における遺産に係る基礎控除額を計算する。
- 2すでに死亡している被相続人の子を代襲して相続人となった被相続人の孫は、相続税額の2割加算の対象とならない。
- 3相続開始時の法定相続人が被相続人の配偶者のみで、その配偶者がすべての遺産を取得した場合、「配偶者に対する相続税額の軽減」の適用を受ければ、相続により取得した財産額の多寡にかかわらず、配偶者が納付すべき相続税額は生じない。
- 4「配偶者に対する相続税額の軽減」の適用を受けることができる配偶者は、被相続人と法律上の婚姻の届出をした者に限られ、いわゆる内縁関係にある者は該当しない。
正解と解説AI解説
正解 肢1
本問の論点
相続税の計算における「法定相続人の数」の数え方、相続税額の2割加算の対象者、配偶者に対する相続税額の軽減の要件を問う問題である。
正解の根拠
遺産に係る基礎控除額の計算上の「法定相続人の数」は、相続の放棄があった場合でも、その放棄がなかったものとした場合の相続人の数による。放棄をした者を数に含めないとする肢1は誤りである。よって、正解は肢1。
各肢の検討
肢1:不適切。放棄をした者も「法定相続人の数」に含めて基礎控除額を計算する。
肢2:適切。相続税法第18条第1項は、代襲して相続人となった被相続人の直系卑属を一親等の血族に含めている。代襲相続人である孫は2割加算の対象とならない。
肢3:適切。相続税法第19条の2第1項第2号により、相続人が配偶者のみである場合は課税価格の合計額が基準となる。全遺産を取得した配偶者の算出税額は軽減額以下となり、納付すべき相続税額はないものとなる(相続税法第19条の2第1項)。
肢4:適切。軽減の対象となる配偶者は法律上の婚姻の届出をした者であり、内縁関係にある者は含まれない。
一言まとめ
「法定相続人の数」は放棄がなかったものとして数える。代襲相続人の孫は2割加算なし、と対で覚えたい。
一問一答各肢の正誤
×肢1法定相続人が相続の放棄をした場合、その放棄をした者の人数を「法定相続人の数」に含めずに、相続税の計算における遺産に係る基礎控除額を計算する。
遺産に係る基礎控除額の計算上の法定相続人の数は、相続の放棄があった場合でもその放棄がなかったものとした場合の相続人の数によるため、放棄者も含める。
○肢2すでに死亡している被相続人の子を代襲して相続人となった被相続人の孫は、相続税額の2割加算の対象とならない。
相続税額の加算の対象外となる一親等の血族には、代襲して相続人となった被相続人の直系卑属が含まれるため、代襲相続人の孫は2割加算の対象とならない。
○肢3相続開始時の法定相続人が被相続人の配偶者のみで、その配偶者がすべての遺産を取得した場合、「配偶者に対する相続税額の軽減」の適用を受ければ、相続により取得した財産額の多寡にかかわらず、配偶者が納付すべき相続税額は生じない。
相続人が配偶者のみの場合は課税価格の合計額が軽減の基準となり、全遺産を取得した配偶者の算出税額は軽減額以下となるため、納付すべき相続税額はないものとなる。
○肢4「配偶者に対する相続税額の軽減」の適用を受けることができる配偶者は、被相続人と法律上の婚姻の届出をした者に限られ、いわゆる内縁関係にある者は該当しない。
配偶者に対する相続税額の軽減の対象となる配偶者は法律上の婚姻の届出をした者であり、内縁関係にある者は含まれない。
関連条文解説で引用
- 相続税法第18条第1項
- 相続税法第19条の2第1項
- 相続税法第19条の2第1項第2号
出典:日本FP協会 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定学科試験 2022年5月 問57 を加工して作成。本サイトは非公式の学習サイトです。
解説は2021年10月1日時点の法令に基づきます。基準日以降の改正が反映されていない場合があります。本サイトの解説は学習補助を目的とし、税務・投資・法律に関する助言ではありません。