タックスプランニング2022年10月1日時点の法令に基づく出題です
2023年5月 FP2級学科 問39
会社と役員間の取引に係る所得税・法人税に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 1会社が株主総会の決議を経て役員に対して退職金を支給した場合、その退職金の額は、不相当に高額な部分の金額など一定のものを除き、その会社の所得金額の計算上、損金の額に算入することができる。
- 2会社が役員に対して無利息で金銭の貸付けを行った場合、原則として、通常収受すべき利息に相当する金額が、その会社の所得金額の計算上、益金の額に算入される。
- 3役員が所有する土地を適正な時価の2分の1未満の価額で会社に譲渡した場合、その役員は、適正な時価により当該土地を譲渡したものとして譲渡所得の計算を行う。
- 4役員が会社の所有する社宅に無償で居住している場合、原則として、通常の賃貸料相当額が、その役員の雑所得の収入金額に算入される。
正解と解説AI解説
正解 肢4
本問の論点
会社と役員の間の取引について、会社側の法人税と役員側の所得税の取扱いを問う問題である。退職金、無利息貸付け、低額譲渡、社宅の無償貸与の課税がポイントとなる。
正解の根拠
役員が会社所有の社宅に無償で居住している場合、通常の賃貸料相当額は会社から受ける経済的利益であり、原則として役員の給与所得の収入金額に算入される。よって、正解は肢4。
各肢の検討
肢1:適切。役員給与の損金不算入の対象から、退職給与で業績連動給与に該当しないものは除かれている(法人税法第34条第1項)。ただし、不相当に高額な部分の金額は損金の額に算入しない(法人税法第34条第2項)。これらを除けば退職金は損金算入できる。
肢2:適切。役務の提供に係る収益の額は、別段の定めがあるものを除き、通常得べき対価の額に相当する金額とされる(法人税法第22条の2第4項)。無利息でも通常収受すべき利息相当額が益金の額に算入される。
肢3:適切。個人が法人に対して時価の2分の1未満の価額で資産を譲渡した場合、時価で譲渡したものとみなして譲渡所得を計算する。
肢4:不適切。社宅の無償貸与による経済的利益は給与所得の収入金額となり、雑所得ではない。
一言まとめ
役員が会社から受ける経済的利益は「給与所得」、会社への低額譲渡は「時価の2分の1未満なら時価譲渡とみなす」と押さえる。
一問一答各肢の正誤
○肢1会社が株主総会の決議を経て役員に対して退職金を支給した場合、その退職金の額は、不相当に高額な部分の金額など一定のものを除き、その会社の所得金額の計算上、損金の額に算入することができる。
役員給与の損金不算入の対象から退職給与で業績連動給与に該当しないものは除かれ、不相当に高額な部分の金額は損金不算入とされるため、それ以外の退職金は損金算入できる。
○肢2会社が役員に対して無利息で金銭の貸付けを行った場合、原則として、通常収受すべき利息に相当する金額が、その会社の所得金額の計算上、益金の額に算入される。
役務の提供に係る収益の額は、別段の定めがあるものを除き、通常得べき対価の額に相当する金額とされるため、無利息貸付けでも通常収受すべき利息相当額が益金の額に算入される。
○肢3役員が所有する土地を適正な時価の2分の1未満の価額で会社に譲渡した場合、その役員は、適正な時価により当該土地を譲渡したものとして譲渡所得の計算を行う。
個人が法人に対して資産を時価の2分の1未満の価額で譲渡した場合は、時価で譲渡したものとみなして譲渡所得を計算する。
×肢4役員が会社の所有する社宅に無償で居住している場合、原則として、通常の賃貸料相当額が、その役員の雑所得の収入金額に算入される。
社宅の無償貸与による通常の賃貸料相当額は、会社から受ける経済的利益として役員の給与所得の収入金額に算入され、雑所得ではない。
関連条文解説で引用
- 法人税法第34条第1項
- 法人税法第34条第2項
- 法人税法第22条の2第4項
出典:日本FP協会 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定学科試験 2023年5月 問39 を加工して作成。本サイトは非公式の学習サイトです。
解説は2022年10月1日時点の法令に基づきます。基準日以降の改正が反映されていない場合があります。本サイトの解説は学習補助を目的とし、税務・投資・法律に関する助言ではありません。