相続・事業承継2022年10月1日時点の法令に基づく出題です
2023年5月 FP2級学科 問53
遺産の分割に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 1共同相続人は、一定の場合を除き、遺産の全部ではなく一部の分割内容のみを定めた遺産分割協議書を作成することができる。
- 2換価分割は、共同相続人が相続により取得した財産の全部または一部を金銭に換価し、その換価代金を共同相続人の間で分割する方法である。
- 3代償分割は、現物分割を困難とする事由がある場合に、共同相続人が家庭裁判所に申し立て、その審判を受けることにより認められる分割方法である。
- 4相続人が代償分割により他の相続人から交付を受けた代償財産は、相続税の課税対象となる。
正解と解説AI解説
正解 肢3
本問の論点
遺産分割の方法(協議による一部分割、換価分割、代償分割)と、代償分割で取得した代償財産の課税関係を問う問題である。
正解の根拠
共同相続人は、被相続人が遺言で禁じた場合を除き、いつでも、その協議で、遺産の全部又は一部の分割をすることができる(民法第907条第1項)。代償分割は、特定の相続人が遺産を取得する代わりに他の相続人に代償財産を交付する分割方法であり、共同相続人の協議によって行うことができる。家庭裁判所の審判を受けなければ認められない分割方法ではないため、肢3の記述は不適切である。よって、正解は肢3。
各肢の検討
肢1:遺言で禁じた場合を除き、協議で遺産の一部の分割をすることができるので、一部の分割内容を定めた遺産分割協議書も作成できる。適切。
肢2:換価分割は、遺産を金銭に換価し、その代金を共同相続人の間で分ける方法であり、適切。
肢3:代償分割は共同相続人の協議でも行うことができ、家庭裁判所の審判は要件ではないため、不適切。
肢4:代償分割で他の相続人から交付を受けた代償財産は、相続により取得した財産として相続税の課税対象となるため、適切。
一言まとめ
遺産分割は協議が原則であり、代償分割も協議で選ぶことができる分割方法と押さえる。
一問一答各肢の正誤
○肢1共同相続人は、一定の場合を除き、遺産の全部ではなく一部の分割内容のみを定めた遺産分割協議書を作成することができる。
共同相続人は、被相続人が遺言で禁じた場合を除き、いつでも協議で遺産の一部の分割をすることができるので、一部の分割内容を定めた協議書も作成できる。
○肢2換価分割は、共同相続人が相続により取得した財産の全部または一部を金銭に換価し、その換価代金を共同相続人の間で分割する方法である。
換価分割は、相続財産を金銭に換価し、その換価代金を共同相続人の間で分ける分割方法であり、記述どおりである。
×肢3代償分割は、現物分割を困難とする事由がある場合に、共同相続人が家庭裁判所に申し立て、その審判を受けることにより認められる分割方法である。
代償分割は共同相続人の協議によって行うことができ、家庭裁判所に申し立てて審判を受けることは要件ではない。
○肢4相続人が代償分割により他の相続人から交付を受けた代償財産は、相続税の課税対象となる。
代償分割により他の相続人から交付を受けた代償財産は、相続により取得した財産として相続税の課税対象となる。
関連条文解説で引用
- 民法第907条第1項
出典:日本FP協会 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定学科試験 2023年5月 問53 を加工して作成。本サイトは非公式の学習サイトです。
解説は2022年10月1日時点の法令に基づきます。基準日以降の改正が反映されていない場合があります。本サイトの解説は学習補助を目的とし、税務・投資・法律に関する助言ではありません。