不動産2017年4月1日時点の法令に基づく出題です
2017年9月 FP2級学科 問48
個人が土地を譲渡したことによる譲渡所得に係る所得税の取扱いに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 1相続(限定承認に係るものを除く)により取得した土地を譲渡した場合において、その土地の所有期間を判定する際の取得の日は、原則として被相続人が取得した日とされる。
- 2土地の譲渡に係る所得については、その土地を譲渡した日の属する年の1月1日における所有期間が10年以下の場合には短期譲渡所得に区分され、10年を超える場合には長期譲渡所得に区分される。
- 3土地を譲渡する際に不動産業者に支払った仲介手数料は、譲渡所得の金額の計算上、その土地の譲渡費用に含まれる。
- 4土地の譲渡に係る譲渡所得は、他の所得と分離して課税される。
正解と解説AI解説
正解 肢2
本問の論点
土地を譲渡した場合の譲渡所得について、所有期間の判定、短期・長期の区分、譲渡費用、課税方式のうち、最も不適切な記述を選ぶ問題である。
正解の根拠
措置法第32条第1項は、その年1月1日における所有期間が5年以下の土地等の譲渡による所得を、他の所得と区分して課税すると定めている。したがって短期と長期の境目は5年であり、10年ではない。肢2は10年を基準としている点が誤りである。よって、正解は肢2。
各肢の検討
肢1:限定承認以外の相続で取得した土地は、被相続人が引き続き所有していたものとみなされるため、取得の日は被相続人が取得した日となる(所得税法第60条第1項第1号)。適切。
肢2:短期は5年以下、長期は5年超で区分する。10年は居住用財産の軽減税率の特例で問われる基準であり、混同した記述である。不適切。
肢3:仲介手数料は資産の譲渡に要した費用にあたり、総収入金額から控除される(所得税法第33条第3項)。適切。
肢4:土地の譲渡所得は、他の所得と区分して課税する分離課税である。適切。
一言まとめ
短期・長期の境目は、譲渡年の1月1日時点で所有期間が5年を超えるかどうか。10年は居住用財産の特例の基準と覚える。
一問一答各肢の正誤
○肢1相続(限定承認に係るものを除く)により取得した土地を譲渡した場合において、その土地の所有期間を判定する際の取得の日は、原則として被相続人が取得した日とされる。
限定承認に係るものを除く相続で取得した土地は、被相続人が引き続き所有していたものとみなされるため、取得の日は被相続人が取得した日となる。
×肢2土地の譲渡に係る所得については、その土地を譲渡した日の属する年の1月1日における所有期間が10年以下の場合には短期譲渡所得に区分され、10年を超える場合には長期譲渡所得に区分される。
短期と長期は、その年1月1日の所有期間が5年以下かどうかで区分されるのであり、10年を基準とする記述は誤りである。
○肢3土地を譲渡する際に不動産業者に支払った仲介手数料は、譲渡所得の金額の計算上、その土地の譲渡費用に含まれる。
仲介手数料は資産の譲渡に要した費用に当たり、譲渡所得の金額の計算上、総収入金額から控除される。
○肢4土地の譲渡に係る譲渡所得は、他の所得と分離して課税される。
土地の譲渡による所得は、他の所得と区分して課税する分離課税であり、総合課税ではない。
関連条文解説で引用
- 所得税法第60条第1項第1号
- 措置法第32条第1項
- 所得税法第33条第3項
出典:日本FP協会 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定学科試験 2017年9月 問48 を加工して作成。本サイトは非公式の学習サイトです。
解説は2017年4月1日時点の法令に基づきます。基準日以降の改正が反映されていない場合があります。本サイトの解説は学習補助を目的とし、税務・投資・法律に関する助言ではありません。