相続・事業承継2017年4月1日時点の法令に基づく出題です
2017年9月 FP2級学科 問56
相続税における取引相場のない株式の評価に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 1類似業種比準方式における比準要素には、1株当たりの配当金額、1株当たりの利益金額および1株当たりの純資産価額がある。
- 2純資産価額方式による株式の価額は、評価会社の課税時期における資産を原則として相続税の評価額に評価替えした合計額から負債の金額の合計額および評価差額に対する法人税額等相当額を差し引いた残りの金額を課税時期の発行済株式数で除した金額により評価する。
- 3類似業種比準方式と純資産価額方式の併用方式により評価する場合、類似業種比準価額のウェイト(Lの割合)は、「中会社の大」は0.90、「中会社の中」は0.75、「中会社の小」は0.60である。
- 4配当還元方式による株式の価額は、その株式の1株当たりの年配当金額を5%で還元した元本の金額で評価する。
正解と解説AI解説
正解 肢4
本問の論点
相続税における取引相場のない株式の評価方式(類似業種比準方式・純資産価額方式・併用方式・配当還元方式)について、それぞれの仕組みと数値を正確に理解しているかを問う問題である。「最も不適切なもの」を選ぶ点に注意が必要である。
正解の根拠
配当還元方式は、会社の支配権を持たない株主が取得した株式などに用いる方式で、その株式の1株当たりの年配当金額を一定の還元率で割り戻して元本の価額を求める。肢4に書かれた5%という還元率は実際の制度上の率とは異なるため、肢4の記述は誤りである。よって、正解は肢4。
各肢の検討
肢1:類似業種比準方式の比準要素は、1株当たりの配当金額・利益金額・純資産価額であり、記述は正しい。
肢2:純資産価額方式は、資産を相続税の評価額に評価替えした合計額から負債と評価差額に対する法人税額等相当額を差し引き、発行済株式数で除して求める。記述は正しい。
肢3:併用方式における類似業種比準価額のウェイト(Lの割合)は、中会社の大が0.90、中が0.75、小が0.60であり、記述は正しい。
肢4:配当還元方式の還元率を5%としている点が誤りであり、最も不適切である。
一言まとめ
配当還元方式は「年配当金額を還元率で割る」と覚え、選択肢の数字はうのみにしない。併用方式のLは大から小へ小さくなる。
一問一答各肢の正誤
○肢1類似業種比準方式における比準要素には、1株当たりの配当金額、1株当たりの利益金額および1株当たりの純資産価額がある。
類似業種比準方式の比準要素は、1株当たりの配当金額・利益金額・純資産価額であり、記述は制度どおりで正しい。
○肢2純資産価額方式による株式の価額は、評価会社の課税時期における資産を原則として相続税の評価額に評価替えした合計額から負債の金額の合計額および評価差額に対する法人税額等相当額を差し引いた残りの金額を課税時期の発行済株式数で除した金額により評価する。
純資産価額方式は、評価替えした資産の合計額から負債と評価差額に対する法人税額等相当額を差し引き、発行済株式数で除して求めるので正しい。
○肢3類似業種比準方式と純資産価額方式の併用方式により評価する場合、類似業種比準価額のウェイト(Lの割合)は、「中会社の大」は0.90、「中会社の中」は0.75、「中会社の小」は0.60である。
併用方式の類似業種比準価額のウェイトは、中会社の大が0.90、中が0.75、小が0.60であり、記述は正しい。
×肢4配当還元方式による株式の価額は、その株式の1株当たりの年配当金額を5%で還元した元本の金額で評価する。
配当還元方式は年配当金額を還元率で割り戻して評価するが、その還元率を5%とする記述は実際の率と異なり誤りである。
出典:日本FP協会 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定学科試験 2017年9月 問56 を加工して作成。本サイトは非公式の学習サイトです。
解説は2017年4月1日時点の法令に基づきます。基準日以降の改正が反映されていない場合があります。本サイトの解説は学習補助を目的とし、税務・投資・法律に関する助言ではありません。