相続・事業承継2017年10月1日時点の法令に基づく出題です
2018年5月 FP2級学科 問59
不動産に係る相続対策等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 1居住用不動産の贈与を受けて贈与税の配偶者控除の適用を受けた場合、贈与税額の計算上、その取得した居住用不動産の価額から、基礎控除額のほかに最高2,500万円の配偶者控除額を控除することができる。
- 2相続時精算課税制度は、所定の要件を満たせば、「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税の特例」と併用して適用を受けることができる。
- 3借地権の一部と底地の一部を等価交換し、所得税の「固定資産の交換の特例」の適用を受けた場合には、一定の条件の下、その交換に伴う譲渡所得はなかったものとされる。
- 4相続人が、相続により取得した土地を、その相続開始があった日の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までに売却した場合には、譲渡所得の金額の計算上、その相続人の相続税額のうち、その土地等に対応する部分の金額を取得費に加算することができる。
正解と解説AI解説
正解 肢1
本問の論点
不動産に関する相続対策と、贈与・譲渡の特例について、記述の正誤を見分ける問題である。最も不適切なものを選ぶため、誤りを含む記述を一つだけ探す。贈与税の配偶者控除、相続時精算課税制度、固定資産の交換の特例、相続税額の取得費加算の特例の内容が問われている。
正解の根拠
贈与税の配偶者控除は、基礎控除額とは別に受けられる控除である。しかし、肢1が示す最高2,500万円という控除額は、制度の実際の上限と一致しない。控除額の数字を誤らせた記述であるため、最も不適切である。よって、正解は肢1。
各肢の検討
肢1:控除額の数字が制度の上限と合わず、不適切である。
肢2:相続時精算課税制度は、住宅取得等資金の贈与の非課税特例と併用でき、適切である。
肢3:借地権と底地の一部を等価交換する場合は、一定の条件の下で交換の特例により譲渡所得はなかったものとされ、適切である。
肢4:相続開始の翌日から申告期限の翌日以後3年を経過する日までに土地を売却した場合は、措置法第39条第1項により相続税額のうち売却した土地に対応する部分を取得費に加算でき、適切である。
一言まとめ
配偶者控除の額は、選択肢の数字をそのまま信じず制度の上限と照らして確認する。取得費加算は、売却時期が申告期限の翌日以後3年以内かどうかが要件である。
一問一答各肢の正誤
×肢1居住用不動産の贈与を受けて贈与税の配偶者控除の適用を受けた場合、贈与税額の計算上、その取得した居住用不動産の価額から、基礎控除額のほかに最高2,500万円の配偶者控除額を控除することができる。
贈与税の配偶者控除は基礎控除額とは別に受けられる控除だが、最高2,500万円とする控除額の数字が制度の上限と一致せず、記述として誤っている。
○肢2相続時精算課税制度は、所定の要件を満たせば、「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税の特例」と併用して適用を受けることができる。
相続時精算課税制度は、所定の要件を満たせば直系尊属からの住宅取得等資金の贈与の非課税特例と併用して適用を受けることができるため、記述は正しい。
○肢3借地権の一部と底地の一部を等価交換し、所得税の「固定資産の交換の特例」の適用を受けた場合には、一定の条件の下、その交換に伴う譲渡所得はなかったものとされる。
借地権の一部と底地の一部を等価交換した場合は、一定の条件の下で固定資産の交換の特例により譲渡所得がなかったものとされるため、記述は正しい。
○肢4相続人が、相続により取得した土地を、その相続開始があった日の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までに売却した場合には、譲渡所得の金額の計算上、その相続人の相続税額のうち、その土地等に対応する部分の金額を取得費に加算することができる。
相続開始の翌日から申告期限の翌日以後3年を経過する日までに相続した土地を譲渡すれば、相続税額のうち譲渡した資産に対応する部分を取得費に加算できるため、記述は正しい。
関連条文解説で引用
- 措置法第39条第1項
出典:日本FP協会 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定学科試験 2018年5月 問59 を加工して作成。本サイトは非公式の学習サイトです。
解説は2017年10月1日時点の法令に基づきます。基準日以降の改正が反映されていない場合があります。本サイトの解説は学習補助を目的とし、税務・投資・法律に関する助言ではありません。