金融資産運用2019年4月1日時点の法令に基づく出題です
2019年9月 FP2級学科 問27
上場株式の譲渡および配当(一定の大口株主等が受けるものを除く)に係る税金に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 1上場株式の配当について申告する場合、所得税では総合課税を選択し、住民税では申告分離課税を選択することもできる。
- 2上場株式の配当について、申告分離課税を選択して確定申告をした場合、上場株式の譲渡損失の金額と損益通算することができる。
- 3損益通算してもなお控除しきれない上場株式の譲渡損失の金額は、確定申告をすることにより、翌年以後3年間にわたって繰り越すことができる。
- 4NISA(少額投資非課税制度)口座内の上場株式の譲渡損失の金額は、確定申告をすることにより、特定口座内の上場株式の譲渡益の金額と損益を通算することができる。
正解と解説AI解説
正解 肢4
本問の論点
上場株式等の配当・譲渡に係る課税のうち、配当所得の申告方法の選択、譲渡損失の損益通算と繰越控除、およびNISA口座内の損失の取扱いを問う問題である。「最も不適切なもの」を選ぶ点に注意したい。
正解の根拠
NISA(少額投資非課税制度)口座内で生じた上場株式の譲渡損失は、税務上ないものとして扱われる。そのため、特定口座内の譲渡益と損益を通算することも、繰越控除することもできない。したがって、通算できるとする記述が誤りである。よって、正解は肢4。
各肢の検討
肢1:配当について所得税では総合課税と申告分離課税のどちらかを選べ、住民税では所得税と異なる課税方式を選ぶこともできる。適切。
肢2:措置法第37条の12の2第1項は、申告を行う者の上場株式等に係る譲渡損失を、配当所得等の金額を限度として控除すると定めている。適切。
肢3:損益通算でも控除しきれない譲渡損失は、前年以前3年内に生じたものとして繰越控除の対象となる(措置法第37条の12の2第5項)。確定申告が要件であり、適切。
肢4:NISA口座内の譲渡損失は損益通算も繰越控除もできないため、不適切。
一言まとめ
NISA口座の損失は「なかったもの」と覚える。通算も繰越もできない。
一問一答各肢の正誤
○肢1上場株式の配当について申告する場合、所得税では総合課税を選択し、住民税では申告分離課税を選択することもできる。
上場株式の配当は、所得税では総合課税と申告分離課税を選べ、住民税では所得税と異なる課税方式を選ぶこともできるため、記述は正しい。
○肢2上場株式の配当について、申告分離課税を選択して確定申告をした場合、上場株式の譲渡損失の金額と損益通算することができる。
申告分離課税を選択して確定申告をした場合、上場株式等の譲渡損失の金額は配当所得等の金額を限度として控除でき、損益通算が認められる。
○肢3損益通算してもなお控除しきれない上場株式の譲渡損失の金額は、確定申告をすることにより、翌年以後3年間にわたって繰り越すことができる。
損益通算してもなお控除しきれない上場株式等の譲渡損失は、確定申告をすることで前年以前3年内に生じたものとして繰越控除の対象となる。
×肢4NISA(少額投資非課税制度)口座内の上場株式の譲渡損失の金額は、確定申告をすることにより、特定口座内の上場株式の譲渡益の金額と損益を通算することができる。
NISA口座内の上場株式の譲渡損失は、税務上ないものとして扱われ、特定口座内の譲渡益との損益通算も繰越控除もできないため、記述は誤りである。
関連条文解説で引用
- 措置法第37条の12の2第1項
- 措置法第37条の12の2第5項
出典:日本FP協会 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定学科試験 2019年9月 問27 を加工して作成。本サイトは非公式の学習サイトです。
解説は2019年4月1日時点の法令に基づきます。基準日以降の改正が反映されていない場合があります。本サイトの解説は学習補助を目的とし、税務・投資・法律に関する助言ではありません。