ライフプランニングと資金計画2019年10月1日時点の法令に基づく出題です
2020年1月 FP2級学科 問1
ファイナンシャル・プランナー(以下「FP」という)の顧客に対する行為に関する次の記述のうち、関連法規に照らし、最も不適切なものはどれか。
- 1税理士の資格を有しないFPのAさんは、顧客から不動産の贈与契約書に貼付する印紙について相談を受け、印紙税法の課税物件表を示し、印紙税額について説明した。
- 2社会保険労務士の資格を有しないFPのBさんは、顧客から老齢厚生年金の繰下げ支給について相談を受け、有償で老齢厚生年金の支給繰下げ請求書を作成し、請求手続きを代行した。
- 3司法書士の資格を有しないFPのCさんは、後期高齢者となった顧客から財産の管理について相談を受け、有償で任意後見受任者となることを引き受けた。
- 4弁護士の資格を有しないFPのDさんは、顧客から相続開始後の配偶者の住居について相談を受け、民法の改正により2020年4月に新設される配偶者居住権の概要を説明した。
正解と解説AI解説
正解 肢2
本問の論点
FPが顧客に対して行ってよい行為と、資格のない者が行うと関連業法に抵触する行為との線引きを問う問題である。一般的な制度の説明は誰でもできるが、有償で書類を作成したり手続を代行したりする行為は、各士業の独占業務にあたる。
正解の根拠
肢2では、社会保険労務士の資格を有しないFPが、有償で老齢厚生年金の支給繰下げ請求書を作成し、請求手続きを代行している。これは社会保険労務士の独占業務であり、社会保険労務士法に抵触する。よって、正解は肢2。
各肢の検討
肢1:課税物件表を示して印紙税額を一般的に説明するだけで、個別の税務書類の作成や申告の代理ではないため、税理士法に抵触せず適切。
肢2:上記のとおり、有償での請求書作成と手続代行は無資格では行えず、不適切。
肢3:任意後見受任者となることは、自らが契約の当事者として後見事務を引き受ける行為であり、司法書士の資格がなくても可能で適切。
肢4:民法の改正内容の概要を一般的に説明するにとどまり、個別の法律事件の代理や法律相談ではないため、弁護士法に抵触せず適切。
一言まとめ
無資格者でも「一般的な説明」まではできるが、「有償での書類作成・手続代行」は独占業務として避ける、と覚える。
一問一答各肢の正誤
○肢1税理士の資格を有しないFPのAさんは、顧客から不動産の贈与契約書に貼付する印紙について相談を受け、印紙税法の課税物件表を示し、印紙税額について説明した。
課税物件表を示して印紙税額を一般的に説明するだけで、個別の税務書類の作成や代理にあたらないため、税理士法に抵触せず適切である。
×肢2社会保険労務士の資格を有しないFPのBさんは、顧客から老齢厚生年金の繰下げ支給について相談を受け、有償で老齢厚生年金の支給繰下げ請求書を作成し、請求手続きを代行した。
社会保険労務士の資格がないのに、有償で支給繰下げ請求書を作成し請求手続きを代行する行為は独占業務にあたり、社会保険労務士法に抵触する。
○肢3司法書士の資格を有しないFPのCさんは、後期高齢者となった顧客から財産の管理について相談を受け、有償で任意後見受任者となることを引き受けた。
任意後見受任者となることは、自らが後見事務を引き受ける当事者になる行為であり、司法書士の資格がなくても行えるため適切である。
○肢4弁護士の資格を有しないFPのDさんは、顧客から相続開始後の配偶者の住居について相談を受け、民法の改正により2020年4月に新設される配偶者居住権の概要を説明した。
配偶者居住権の概要を一般的に説明するにとどまり、個別の法律事件の代理や法律相談ではないため、弁護士法に抵触せず適切である。
出典:日本FP協会 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定学科試験 2020年1月 問1 を加工して作成。本サイトは非公式の学習サイトです。
解説は2019年10月1日時点の法令に基づきます。基準日以降の改正が反映されていない場合があります。本サイトの解説は学習補助を目的とし、税務・投資・法律に関する助言ではありません。