不動産2020年10月1日時点の法令に基づく出題です
2021年5月 FP2級学科 問43
建物賃貸借において、民法および借地借家法に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、本問においては、借地借家法第38条による定期建物賃貸借契約以外の建物賃貸借契約を普通借家契約という。また、民法と借地借家法の規定の両方の適用を受ける場合には借地借家法が優先し、記載された特約以外のものについては考慮しないものとする。
- 1普通借家契約において、賃貸借の存続期間は50年を超えてはならない。
- 2普通借家契約において、賃借人は、原則として、その建物の賃借権の登記がなくても、引渡しを受けていれば、その後その建物について物権を取得した者に賃借権を対抗することができる。
- 3賃借人は、建物の引渡しを受けた後にこれに生じた損傷であっても、通常の使用および収益によって生じた建物の損耗および経年変化については、賃貸借終了時、原状に復する義務を負わない。
- 4普通借家契約において、賃借人が賃貸人の同意を得て建物に設置した造作について、賃貸借終了時、賃借人が賃貸人にその買取りを請求しない旨の特約をすることができる。
正解と解説AI解説
正解 肢1
本問の論点
建物賃貸借に関する民法と借地借家法の規定を問う問題です。存続期間、対抗力、原状回復義務、造作買取請求権の各論点について、普通借家契約を前提に正誤を判断します。
正解の根拠
民法には賃貸借の存続期間を50年までとする規定がありますが、建物の賃貸借についてはこの上限が適用されず、普通借家契約の存続期間に50年の上限はありません。肢1は「50年を超えてはならない」としている点が誤りです。よって、正解は肢1。
各肢の検討
肢1:不適切。存続期間の上限はありません。
肢2:適切。建物の賃貸借は、登記がなくても、建物の引渡しがあれば、その後その建物について物権を取得した者に対して効力を生じます(借地借家法第31条第1項)。
肢3:適切。通常の使用および収益によって生じた損耗や経年変化は、原状回復義務の対象から除かれます(民法第621条第1項)。
肢4:適切。造作買取請求権は賃貸人の同意を得て付加した造作に認められる権利ですが(借地借家法第33条第1項)、買取りを請求しない旨の特約をすることができます。
一言まとめ
建物賃貸借に50年の上限はなく、造作買取請求権は特約で排除できます。
一問一答各肢の正誤
×肢1普通借家契約において、賃貸借の存続期間は50年を超えてはならない。
建物賃貸借の存続期間を50年までに制限する規定は普通借家契約には及ばず、50年を超えてはならないとする記述は誤りである。
○肢2普通借家契約において、賃借人は、原則として、その建物の賃借権の登記がなくても、引渡しを受けていれば、その後その建物について物権を取得した者に賃借権を対抗することができる。
建物の賃貸借は登記がなくても、建物の引渡しがあれば、その後に建物について物権を取得した者に対しても効力を生ずるため、記述は正しい。
○肢3賃借人は、建物の引渡しを受けた後にこれに生じた損傷であっても、通常の使用および収益によって生じた建物の損耗および経年変化については、賃貸借終了時、原状に復する義務を負わない。
引渡し後に生じた損傷のうち、通常の使用および収益による損耗や経年変化は原状回復義務の対象から除かれるため、記述は正しい。
○肢4普通借家契約において、賃借人が賃貸人の同意を得て建物に設置した造作について、賃貸借終了時、賃借人が賃貸人にその買取りを請求しない旨の特約をすることができる。
造作買取請求権は、賃貸人の同意を得て付加した造作について認められる権利であり、買取りを請求しない旨の特約をすることができるため、記述は正しい。
関連条文解説で引用
- 借地借家法第31条第1項
- 民法第621条第1項
- 借地借家法第33条第1項
出典:日本FP協会 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定学科試験 2021年5月 問43 を加工して作成。本サイトは非公式の学習サイトです。
解説は2020年10月1日時点の法令に基づきます。基準日以降の改正が反映されていない場合があります。本サイトの解説は学習補助を目的とし、税務・投資・法律に関する助言ではありません。