相続・事業承継2021年10月1日時点の法令に基づく出題です
2022年5月 FP2級学科 問51
民法上の贈与に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1定期贈与とは、贈与者が受贈者に対して定期的に財産を給付することを目的とする贈与をいい、贈与者または受贈者のいずれか一方が生存している限り、その効力を失うことはない。
- 2負担付贈与では、受贈者がその負担である義務を履行しない場合において、贈与者が相当の期間を定めてその履行の催告をし、その期間内に履行がない場合であっても、贈与者は、当該贈与の契約の解除をすることができない。
- 3死因贈与では、民法の遺贈に関する規定が準用され、贈与者のみの意思表示により成立し、贈与者の死亡によって効力が生じる。
- 4書面によらない贈与では、その履行前であれば、各当事者は合意がなくとも契約の解除をすることができる。
正解と解説AI解説
正解 肢4
本問の論点
定期贈与、負担付贈与、死因贈与、書面によらない贈与について、効力の消滅、解除の可否、成立の要件を問う問題である。
正解の根拠
民法第550条第1項は、書面によらない贈与は各当事者が解除をすることができると定め、ただし、履行の終わった部分についてはこの限りでないとしている。したがって、履行前であれば、相手方の合意がなくても各当事者が解除できる。よって、正解は肢4。
各肢の検討
肢1:不適切。定期の給付を目的とする贈与は、贈与者又は受贈者の死亡によって、その効力を失う(民法第552条第1項)。
肢2:不適切。受贈者が負担を履行しないときは、贈与者は相当の期間を定めて催告し、その期間内に履行がなければ契約を解除できる。ただし、不履行が軽微であるときは除かれる(民法第541条第1項)。
肢3:不適切。死因贈与には、その性質に反しない限り、遺贈に関する規定が準用される(民法第554条第1項)。しかし死因贈与は契約であり、贈与者と受贈者の合意によって成立する。
肢4:適切。書面によらない贈与は、履行前であれば各当事者が解除できる。
一言まとめ
書面によらない贈与は履行前なら解除可、定期贈与は当事者の死亡で失効、死因贈与は単独行為ではなく契約、と覚える。
一問一答各肢の正誤
×肢1定期贈与とは、贈与者が受贈者に対して定期的に財産を給付することを目的とする贈与をいい、贈与者または受贈者のいずれか一方が生存している限り、その効力を失うことはない。
定期の給付を目的とする贈与は、贈与者又は受贈者の死亡によって効力を失うため、いずれか一方が死亡すれば失効する。
×肢2負担付贈与では、受贈者がその負担である義務を履行しない場合において、贈与者が相当の期間を定めてその履行の催告をし、その期間内に履行がない場合であっても、贈与者は、当該贈与の契約の解除をすることができない。
受贈者が負担を履行しないときは、贈与者が相当の期間を定めて催告し、その期間内に履行がなければ契約を解除できる(不履行が軽微な場合を除く)。
×肢3死因贈与では、民法の遺贈に関する規定が準用され、贈与者のみの意思表示により成立し、贈与者の死亡によって効力が生じる。
死因贈与には性質に反しない限り遺贈の規定が準用されるが、贈与契約であるため贈与者と受贈者の合意で成立し、贈与者のみの意思表示では成立しない。
○肢4書面によらない贈与では、その履行前であれば、各当事者は合意がなくとも契約の解除をすることができる。
書面によらない贈与は各当事者が解除でき、解除できないのは履行の終わった部分に限られるため、履行前なら合意なく解除できる。
関連条文解説で引用
- 民法第552条第1項
- 民法第541条第1項
- 民法第554条第1項
- 民法第550条第1項
出典:日本FP協会 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定学科試験 2022年5月 問51 を加工して作成。本サイトは非公式の学習サイトです。
解説は2021年10月1日時点の法令に基づきます。基準日以降の改正が反映されていない場合があります。本サイトの解説は学習補助を目的とし、税務・投資・法律に関する助言ではありません。