相続・事業承継2022年10月1日時点の法令に基づく出題です
2023年5月 FP2級学科 問60
民法における配偶者居住権に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1配偶者居住権の存続期間は、原則として、被相続人の配偶者の終身の間である。
- 2被相続人の配偶者は、取得した配偶者居住権を譲渡することができる。
- 3被相続人の配偶者は、居住建物を被相続人と被相続人の子が相続開始時において共有していた場合であっても、当該建物に係る配偶者居住権を取得することができる。
- 4被相続人の配偶者は、被相続人の財産に属した建物に相続開始時において居住していなかった場合であっても、当該建物に係る配偶者居住権を取得することができる。
正解と解説AI解説
正解 肢1
本問の論点
民法の配偶者居住権について、存続期間、譲渡の可否、取得の要件(居住していたこと・配偶者以外の者との共有でないこと)を問う問題である。権利の基本的な性質と成立要件を正確に押さえているかが問われている。
正解の根拠
配偶者居住権は、配偶者が相続開始の時に居住していた建物の全部について、無償で使用及び収益をする権利である(民法第1028条第1項)。その存続期間は、遺産の分割の協議や審判、遺言に別段の定めがある場合を除き、原則として配偶者の終身の間とされている。よって、正解は肢1。
各肢の検討
肢1:適切。存続期間は原則として配偶者の終身の間であり、別段の定めがあればその期間となる。
肢2:不適切。民法第1032条第2項は、配偶者居住権は譲渡することができないと定めている。
肢3:不適切。被相続人が相続開始の時に居住建物を配偶者以外の者と共有していた場合には、配偶者居住権を取得しない(民法第1028条第1項)。被相続人と子の共有はこれに当たる。
肢4:不適切。取得の要件は、被相続人の財産に属した建物に相続開始の時に居住していたことである(民法第1028条第1項)。居住していなかった建物については取得できない。
一言まとめ
配偶者居住権は「相続開始時に居住」「配偶者以外との共有なら不可」「譲渡不可」「存続期間は原則終身」をセットで覚えよう。
一問一答各肢の正誤
○肢1配偶者居住権の存続期間は、原則として、被相続人の配偶者の終身の間である。
配偶者居住権の存続期間は、遺産の分割の協議や審判、遺言に別段の定めがある場合を除き、原則として配偶者の終身の間である。
×肢2被相続人の配偶者は、取得した配偶者居住権を譲渡することができる。
配偶者居住権は譲渡することができないと定められているため、配偶者が取得した配偶者居住権を譲渡することはできない。
×肢3被相続人の配偶者は、居住建物を被相続人と被相続人の子が相続開始時において共有していた場合であっても、当該建物に係る配偶者居住権を取得することができる。
被相続人が相続開始の時に居住建物を配偶者以外の者と共有していた場合は配偶者居住権を取得しないため、被相続人と子の共有建物については取得できない。
×肢4被相続人の配偶者は、被相続人の財産に属した建物に相続開始時において居住していなかった場合であっても、当該建物に係る配偶者居住権を取得することができる。
配偶者居住権は、被相続人の財産に属した建物に相続開始の時に居住していた場合に取得するものであり、居住していなかった建物については取得できない。
関連条文解説で引用
- 民法第1032条第2項
- 民法第1028条第1項
出典:日本FP協会 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定学科試験 2023年5月 問60 を加工して作成。本サイトは非公式の学習サイトです。
解説は2022年10月1日時点の法令に基づきます。基準日以降の改正が反映されていない場合があります。本サイトの解説は学習補助を目的とし、税務・投資・法律に関する助言ではありません。