相続・事業承継2023年4月1日時点の法令に基づく出題です
2023年9月 FP2級学科 問57
相続税の課税財産等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 1契約者(=保険料負担者)および被保険者が夫、死亡保険金受取人が妻である生命保険契約において、夫の死亡により妻が受け取った死亡保険金は、原則として、遺産分割の対象とならない。
- 2契約者(=保険料負担者)および被保険者が父、死亡保険金受取人が子である生命保険契約において、子が相続の放棄をした場合は、当該死亡保険金について、死亡保険金の非課税金額の規定の適用を受けることができない。
- 3老齢基礎年金の受給権者である被相続人が死亡し、その者に支給されるべき年金給付で死亡後に支給期の到来するものを相続人が受け取った場合、当該未支給の年金は、相続税の課税対象となる。
- 4被相続人の死亡により、当該被相続人に支給されるべきであった退職手当金で被相続人の死亡後3年以内に支給が確定したものについて、相続人がその支給を受けた場合、当該退職手当金は、相続税の課税対象となる。
正解と解説AI解説
正解 肢3
本問の論点
相続税の課税財産について、死亡保険金と遺産分割、相続を放棄した者と死亡保険金の非課税金額、未支給年金、死亡退職金の取扱いを問う問題である。
正解の根拠
年金給付の受給権者が死亡した場合において、支給すべき年金給付でまだ支給しなかったものがあるときは、生計を同じくしていた一定の遺族が、自己の名で、その未支給の年金の支給を請求することができる(国民年金法第19条第1項)。未支給年金は遺族固有の権利として請求するものであり、相続税の課税対象とはならない。よって、正解は肢3。
各肢の検討
肢1:死亡保険金は受取人である妻が保険契約に基づき取得する固有の財産であり、原則として遺産分割の対象とならないため適切。
肢2:相続税法上の相続人には相続を放棄した者を含まない(相続税法第3条第1項)。死亡保険金の非課税金額は相続人の取得した保険金について適用されるため、放棄した子は適用を受けられず適切。
肢3:未支給年金は遺族固有の権利であり不適切。
肢4:相続税法第3条第1項および相続税法第3条第1項第2号により、死亡後三年以内に支給が確定した退職手当金は、支給を受けた者が相続又は遺贈により取得したものとみなされるため適切。
一言まとめ
未支給年金は遺族固有の権利で相続税の対象外、死亡退職金は死亡後3年以内に支給確定ならみなし相続財産。
一問一答各肢の正誤
○肢1契約者(=保険料負担者)および被保険者が夫、死亡保険金受取人が妻である生命保険契約において、夫の死亡により妻が受け取った死亡保険金は、原則として、遺産分割の対象とならない。
死亡保険金は受取人である妻が保険契約に基づいて取得する固有の財産であり、原則として遺産分割の対象とならないため正しい。
○肢2契約者(=保険料負担者)および被保険者が父、死亡保険金受取人が子である生命保険契約において、子が相続の放棄をした場合は、当該死亡保険金について、死亡保険金の非課税金額の規定の適用を受けることができない。
相続税法上の相続人には相続を放棄した者を含まず、死亡保険金の非課税金額は相続人の取得した保険金に適用されるため、放棄した子は適用を受けられない。
×肢3老齢基礎年金の受給権者である被相続人が死亡し、その者に支給されるべき年金給付で死亡後に支給期の到来するものを相続人が受け取った場合、当該未支給の年金は、相続税の課税対象となる。
未支給年金は、遺族が自己の名で支給を請求する遺族固有の権利であり、相続税の課税対象とはならないため誤り。
○肢4被相続人の死亡により、当該被相続人に支給されるべきであった退職手当金で被相続人の死亡後3年以内に支給が確定したものについて、相続人がその支給を受けた場合、当該退職手当金は、相続税の課税対象となる。
被相続人の死亡後三年以内に支給が確定した退職手当金は、支給を受けた者が相続又は遺贈により取得したものとみなされ、相続税の課税対象となるため正しい。
関連条文解説で引用
- 相続税法第3条第1項
- 相続税法第12条第1項第5号
- 国民年金法第19条第1項
- 相続税法第3条第1項第2号
出典:日本FP協会 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定学科試験 2023年9月 問57 を加工して作成。本サイトは非公式の学習サイトです。
解説は2023年4月1日時点の法令に基づきます。基準日以降の改正が反映されていない場合があります。本サイトの解説は学習補助を目的とし、税務・投資・法律に関する助言ではありません。