リスク管理2023年10月1日時点の法令に基づく出題です
2024年1月 FP2級学科 問18
契約者(=保険料負担者)を法人、被保険者を従業員とする損害保険に係る保険金の経理処理に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1業務中の事故によるケガが原因で入院をした従業員が、普通傷害保険の入院保険金を保険会社から直接受け取った場合、法人は当該保険金相当額を益金の額に算入する。
- 2業務中の事故で従業員が死亡したことにより、法人が普通傷害保険の死亡保険金を受け取った場合、法人は当該保険金相当額を益金の額に算入する。
- 3従業員が法人の所有する自動車で対人事故を起こし、その相手方に保険会社から自動車保険の対人賠償保険の保険金が直接支払われた場合、法人は当該保険金相当額を益金の額に算入する。
- 4従業員が法人の所有する自動車で交通事故を起こし、法人が、当該車両が全損したことにより受け取った自動車保険の車両保険の保険金で業務用機械設備を取得した場合、圧縮記帳が認められる。
正解と解説AI解説
正解 肢2
本問の論点
法人が契約者・保険料負担者、従業員が被保険者である損害保険について、保険金を誰が受け取るかで法人の経理処理がどう変わるかを問う問題である。あわせて、保険金で取得した資産に圧縮記帳が認められる範囲も問われている。
正解の根拠
法人が受取人として保険金を受け取れば、その保険金は法人の収入となる。業務中の事故による従業員の死亡で、法人が普通傷害保険の死亡保険金を受け取ったときも、保険金相当額を益金の額に算入する。よって、正解は肢2。
各肢の検討
肢1:不適切。入院保険金を従業員が直接受け取った場合、法人に保険金の収入はなく、益金に算入する経理処理は不要である。
肢2:適切。法人が受け取った死亡保険金は益金の額に算入する。
肢3:不適切。対人賠償保険の保険金が相手方に直接支払われた場合も、法人は保険金を受け取っていないため、経理処理は不要である。
肢4:不適切。圧縮記帳の対象となる代替資産は、滅失等をした所有固定資産に代替する同一種類の固定資産である(法人税法第47条第1項)。車両の保険金で業務用機械設備を取得しても、同一種類ではないため圧縮記帳は認められない。
一言まとめ
保険金が法人に入れば益金算入、法人を経由しなければ経理処理不要。圧縮記帳は同一種類の代替資産に限られる。
一問一答各肢の正誤
×肢1業務中の事故によるケガが原因で入院をした従業員が、普通傷害保険の入院保険金を保険会社から直接受け取った場合、法人は当該保険金相当額を益金の額に算入する。
入院保険金を従業員が保険会社から直接受け取った場合、法人には保険金の収入がないため、法人側で益金に算入する経理処理は不要である。
○肢2業務中の事故で従業員が死亡したことにより、法人が普通傷害保険の死亡保険金を受け取った場合、法人は当該保険金相当額を益金の額に算入する。
法人が受取人として死亡保険金を受け取った場合、その保険金は法人の収入となるため、保険金相当額を益金の額に算入する。
×肢3従業員が法人の所有する自動車で対人事故を起こし、その相手方に保険会社から自動車保険の対人賠償保険の保険金が直接支払われた場合、法人は当該保険金相当額を益金の額に算入する。
対人賠償保険の保険金が保険会社から相手方に直接支払われた場合、法人は保険金を受け取っていないため、益金に算入する経理処理は不要である。
×肢4従業員が法人の所有する自動車で交通事故を起こし、法人が、当該車両が全損したことにより受け取った自動車保険の車両保険の保険金で業務用機械設備を取得した場合、圧縮記帳が認められる。
圧縮記帳の対象は滅失等をした所有固定資産に代替する同一種類の固定資産であり、車両の保険金で業務用機械設備を取得しても同一種類ではないため認められない。
関連条文解説で引用
- 法人税法第47条第1項
出典:日本FP協会 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定学科試験 2024年1月 問18 を加工して作成。本サイトは非公式の学習サイトです。
解説は2023年10月1日時点の法令に基づきます。基準日以降の改正が反映されていない場合があります。本サイトの解説は学習補助を目的とし、税務・投資・法律に関する助言ではありません。