金融資産運用2023年10月1日時点の法令に基づく出題です
2024年1月 FP2級学科 問28
上場株式等の譲渡および配当等(一定の大口株主等が受けるものを除く)に係る税金に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、本問においては、NISA(少額投資非課税制度)により投資収益が非課税となる口座をNISA口座という。
- 1上場株式の配当に係る配当所得の金額について、総合課税を選択して所得税の確定申告をした場合、特定口座内で生じた上場株式等に係る譲渡損失の金額と損益通算することができる。
- 2NISA口座で保有する上場株式の配当金を非課税扱いにするためには、配当金の受取方法として株式数比例配分方式を選択しなければならない。
- 3上場株式等に係る配当所得等の金額と損益通算してもなお控除しきれない上場株式等に係る譲渡損失の金額は、所得税の確定申告をすることにより、翌年以後3年間にわたって繰り越すことができる。
- 4NISA口座で取得した上場株式等を売却したことにより生じた損失の金額については、特定口座内で保有する上場株式等の配当等に係る配当所得の金額と損益通算することができない。
正解と解説AI解説
正解 肢1
本問の論点
上場株式等の配当と譲渡損失について、損益通算・繰越控除の要件とNISA口座の取扱いを問う問題である。配当の課税方式の選択が損益通算の可否を左右する点が核心となる。
正解の根拠
上場株式等に係る譲渡損失の金額は、申告分離課税の対象となる上場株式等に係る配当所得等の金額を限度として控除される(措置法第37条の12の2第1項)。上場株式の配当等は、確定申告書にその旨を記載した場合に限り申告分離課税となり、総合課税の適用を受けた配当は対象外となる(措置法第8条の4第2項)。したがって、総合課税を選択した配当所得とは損益通算できない。よって、正解は肢1。
各肢の検討
肢1:不適切。通算の相手は申告分離課税を選択した配当所得等に限られる。
肢2:適切。NISA口座の上場株式の配当を非課税とするには、株式数比例配分方式の選択が必要である。
肢3:適切。控除しきれない譲渡損失は、連続して確定申告書を提出すれば翌年以後3年間繰り越して控除できる(措置法第37条の12の2第5項)。
肢4:適切。NISA口座内の譲渡損失は、所得税に関する法令の適用上ないものとみなされ、損益通算できない(措置法第37条の14第2項)。
一言まとめ
譲渡損失と通算できる配当は「申告分離課税」を選んだものだけ、NISA口座の損失は「ないもの」とみなされると覚える。
一問一答各肢の正誤
×肢1上場株式の配当に係る配当所得の金額について、総合課税を選択して所得税の確定申告をした場合、特定口座内で生じた上場株式等に係る譲渡損失の金額と損益通算することができる。
上場株式等に係る譲渡損失と損益通算できるのは、申告分離課税の適用を受けた上場株式等に係る配当所得等の金額に限られ、総合課税を選択した配当所得とは損益通算できない。
○肢2NISA口座で保有する上場株式の配当金を非課税扱いにするためには、配当金の受取方法として株式数比例配分方式を選択しなければならない。
NISA口座で保有する上場株式の配当を非課税とするには、証券会社を通じて配当を受け取る株式数比例配分方式を選択する必要がある。
○肢3上場株式等に係る配当所得等の金額と損益通算してもなお控除しきれない上場株式等に係る譲渡損失の金額は、所得税の確定申告をすることにより、翌年以後3年間にわたって繰り越すことができる。
控除しきれない上場株式等に係る譲渡損失は、連続して確定申告書を提出することを要件に、翌年以後3年間繰り越して譲渡所得等や配当所得等から控除できる。
○肢4NISA口座で取得した上場株式等を売却したことにより生じた損失の金額については、特定口座内で保有する上場株式等の配当等に係る配当所得の金額と損益通算することができない。
NISA口座内の上場株式等の譲渡による損失は、所得税に関する法令の適用上ないものとみなされるため、特定口座内の配当所得と損益通算できない。
関連条文解説で引用
- 措置法第37条の12の2第1項
- 措置法第8条の4第2項
- 措置法第37条の12の2第5項
- 措置法第37条の12の2第7項
- 措置法第37条の14第2項
出典:日本FP協会 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定学科試験 2024年1月 問28 を加工して作成。本サイトは非公式の学習サイトです。
解説は2023年10月1日時点の法令に基づきます。基準日以降の改正が反映されていない場合があります。本サイトの解説は学習補助を目的とし、税務・投資・法律に関する助言ではありません。