相続・事業承継2023年10月1日時点の法令に基づく出題です
2024年1月 FP2級学科 問55
相続税の非課税財産に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1被相続人の死亡により、相続人が被相続人に支給されるべきであった退職手当金の支給を受けた場合、当該退職手当金の支給が被相続人の死亡後5年以内に確定したものであれば、相続人は、当該退職手当金について死亡退職金の非課税金額の規定の適用を受けることができる。
- 2死亡退職金の非課税金額の規定による非課税限度額は、被相続人の死亡が業務上の死亡である場合、被相続人の死亡時における賞与以外の普通給与の3年分に相当する金額である。
- 3契約者(=保険料負担者)および被保険者を被相続人とする生命保険契約に基づき、相続の放棄をした者が受け取った死亡保険金については、死亡保険金の非課税金額の規定は適用されない。
- 4死亡保険金の非課税金額の規定による非課税限度額の計算上の相続人の数には、相続の放棄をした者は含まれない。
正解と解説AI解説
正解 肢3
本問の論点
死亡退職金と死亡保険金の非課税金額の規定について、対象となる退職手当金の範囲、非課税限度額の計算方法、相続を放棄した者の取扱いを問う問題である。
正解の根拠
死亡保険金の非課税金額の規定は、「相続人の取得した」保険金を対象としている(相続税法第12条第1項第5号)。そして相続税法上の相続人には、相続人の数に関する場合などを除き、相続を放棄した者は含まれない(相続税法第3条第1項)。したがって、放棄した者が受け取った死亡保険金には、この規定は適用されない。よって、正解は肢3。
各肢の検討
肢1:不適切。相続財産とみなされる退職手当金は、被相続人の死亡後3年以内に支給が確定したものである(相続税法第3条第1項第2号)。5年以内ではない。
肢2:不適切。死亡退職金の非課税限度額は、500万円に相続人の数を乗じた金額である(相続税法第12条第1項第6号)。死亡の原因で限度額は変わらない。
肢3:適切。相続を放棄した者は、非課税金額の規定の対象となる相続人に当たらない。
肢4:不適切。限度額の計算に用いる相続人の数は、放棄した者を含まないとする定めの適用から除かれている(相続税法第3条第1項)。放棄した者も数に含める。
一言まとめ
非課税の適用を受ける「人」には放棄者を含まず、限度額計算の「相続人の数」には放棄者を含める、と区別して覚える。
一問一答各肢の正誤
×肢1被相続人の死亡により、相続人が被相続人に支給されるべきであった退職手当金の支給を受けた場合、当該退職手当金の支給が被相続人の死亡後5年以内に確定したものであれば、相続人は、当該退職手当金について死亡退職金の非課税金額の規定の適用を受けることができる。
相続財産とみなされる退職手当金は、被相続人の死亡後3年以内に支給が確定したものであり、5年以内とする記述は誤りである。
×肢2死亡退職金の非課税金額の規定による非課税限度額は、被相続人の死亡が業務上の死亡である場合、被相続人の死亡時における賞与以外の普通給与の3年分に相当する金額である。
死亡退職金の非課税限度額は、500万円に相続人の数を乗じて算出した金額であり、普通給与の3年分ではない。
○肢3契約者(=保険料負担者)および被保険者を被相続人とする生命保険契約に基づき、相続の放棄をした者が受け取った死亡保険金については、死亡保険金の非課税金額の規定は適用されない。
非課税金額の規定は相続人の取得した保険金が対象であり、相続を放棄した者はここでいう相続人に含まれないため、適用されない。
×肢4死亡保険金の非課税金額の規定による非課税限度額の計算上の相続人の数には、相続の放棄をした者は含まれない。
非課税限度額の計算に用いる相続人の数は、放棄した者を含まないとする定めの適用から除かれており、放棄した者も数に含まれる。
関連条文解説で引用
- 相続税法第3条第1項第2号
- 相続税法第12条第1項第6号
- 相続税法第12条第1項第5号
- 相続税法第3条第1項
出典:日本FP協会 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定学科試験 2024年1月 問55 を加工して作成。本サイトは非公式の学習サイトです。
解説は2023年10月1日時点の法令に基づきます。基準日以降の改正が反映されていない場合があります。本サイトの解説は学習補助を目的とし、税務・投資・法律に関する助言ではありません。