不動産2023年10月1日時点の法令に基づく出題です
2024年5月 FP2級学科 問42
不動産売買の契約に係る民法の規定に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、特約については考慮しないものとする。
- 1売買契約の締結後、買主の責めに帰すことのできない事由により、当該契約の目的物の引渡債務の全部が履行不能となった場合、買主は、履行の催告をすることなく、直ちに契約の解除をすることができる。
- 2売主が種類または品質に関して契約の内容に適合しない目的物を買主に引き渡した場合において、買主がその不適合を知った時から1年以内にその旨を売主に通知しないときは、売主が引渡しの時にその不適合を知っていたとしても、買主は、その不適合を理由として契約の解除をすることができない。
- 3売買の目的物である建物が、その売買契約の締結から当該建物の引渡しまでの間に、地震により全壊した場合、買主は、売主に対して建物代金の支払いを拒むことができる。
- 4買主が売主に解約手付を交付した場合、売主は、買主が契約の履行に着手する前であれば、受領した手付の倍額を買主に対して現実に提供することにより、契約の解除をすることができる。
正解と解説AI解説
正解 肢2
本問の論点
民法の売買に関する規定のうち、履行不能による解除、契約不適合の通知期間の制限、引渡し前の滅失と代金支払、解約手付による解除を問う問題である。
正解の根拠
買主が不適合を知った時から1年以内にその旨を売主に通知しないときは、履行の追完の請求、代金の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができない。ただし、売主が引渡しの時にその不適合を知り、又は重大な過失によって知らなかったときは、この限りでない(民法第566条第1項)。肢2は売主が知っていた場合も解除できないとしており誤り。よって、正解は肢2。
各肢の検討
肢1:適切。債務の全部の履行が不能であるときは、催告をすることなく直ちに契約を解除できる。
肢2:不適切。売主が引渡しの時に不適合を知っていた場合、通知期間の制限は適用されない。
肢3:適切。当事者双方の責めに帰することができない事由で引渡債務を履行できなくなったときは、買主は代金の支払を拒むことができる。
肢4:適切。売主は、買主が契約の履行に着手する前であれば、手付の倍額を現実に提供して契約を解除できる(民法第557条第1項)。
一言まとめ
通知期間の制限は、売主が悪意または重過失なら働かない。ただし書まで押さえる。
一問一答各肢の正誤
○肢1売買契約の締結後、買主の責めに帰すことのできない事由により、当該契約の目的物の引渡債務の全部が履行不能となった場合、買主は、履行の催告をすることなく、直ちに契約の解除をすることができる。
債務の全部の履行が不能であるときは、債権者である買主は、履行の催告をすることなく直ちに契約の解除をすることができる。
×肢2売主が種類または品質に関して契約の内容に適合しない目的物を買主に引き渡した場合において、買主がその不適合を知った時から1年以内にその旨を売主に通知しないときは、売主が引渡しの時にその不適合を知っていたとしても、買主は、その不適合を理由として契約の解除をすることができない。
不適合を知った時から1年以内に通知しないと解除等ができなくなるが、売主が引渡しの時に不適合を知り、又は重大な過失によって知らなかったときはこの制限は適用されない。
○肢3売買の目的物である建物が、その売買契約の締結から当該建物の引渡しまでの間に、地震により全壊した場合、買主は、売主に対して建物代金の支払いを拒むことができる。
引渡し前に当事者双方の責めに帰することができない事由で建物が全壊し引渡債務を履行できなくなったときは、買主は代金の支払を拒むことができる。
○肢4買主が売主に解約手付を交付した場合、売主は、買主が契約の履行に着手する前であれば、受領した手付の倍額を買主に対して現実に提供することにより、契約の解除をすることができる。
買主が手付を交付したときは、売主はその倍額を現実に提供して契約を解除できるが、相手方が契約の履行に着手した後はこの限りでない。
関連条文解説で引用
- 民法第566条第1項
- 民法第557条第1項
出典:日本FP協会 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定学科試験 2024年5月 問42 を加工して作成。本サイトは非公式の学習サイトです。
解説は2023年10月1日時点の法令に基づきます。基準日以降の改正が反映されていない場合があります。本サイトの解説は学習補助を目的とし、税務・投資・法律に関する助言ではありません。