相続・事業承継2023年10月1日時点の法令に基づく出題です
2024年5月 FP2級学科 問56
民法上の遺言に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、各選択肢において、ほかに必要とされる要件等はすべて満たしているものとする。
- 1公正証書遺言の作成において、遺言者の配偶者は証人として立ち会うことができない。
- 2自筆証書遺言の作成に当たって、自筆証書にこれと一体のものとして添付する財産目録をパソコンで作成する場合、その財産目録への署名および押印は不要である。
- 3同一の遺言者による公正証書遺言と自筆証書遺言について、それぞれの内容が異なっている場合、その異なっている部分については、作成日付の新しい遺言の内容が効力を有する。
- 4自筆証書遺言書保管制度により法務局(遺言書保管所)に保管されている自筆証書遺言は、遺言者の相続開始後、家庭裁判所の検認が不要である。
正解と解説AI解説
正解 肢2
本問の論点
民法上の遺言について、公正証書遺言の証人、自筆証書遺言の財産目録の方式、内容の抵触する複数の遺言の優劣、自筆証書遺言書保管制度と検認の関係を問う問題である。
正解の根拠
民法第968条第2項は、自筆証書に一体のものとして添付する財産目録については自書を要しないとする一方、遺言者はその目録の毎葉(自書によらない記載が両面にある場合は両面)に署名し、印を押さなければならないと定める。パソコンで作成した財産目録でも署名・押印は必要である。よって、正解は肢2。
各肢の検討
肢1:適切。遺言者の配偶者は推定相続人であり、証人となれない。
肢2:不適切。財産目録の毎葉に署名・押印が必要である(民法第968条第2項)。
肢3:適切。抵触部分は後の遺言で前の遺言を撤回したものとみなされ、方式を問わない。
肢4:適切。遺言書保管所に保管された自筆証書遺言は検認不要である。
一言まとめ
財産目録は「自書不要」でも「署名・押印は必要」。自書と署名押印を混同しない。
一問一答各肢の正誤
○肢1公正証書遺言の作成において、遺言者の配偶者は証人として立ち会うことができない。
遺言者の配偶者は推定相続人であり、推定相続人は公正証書遺言の証人となることができないため、証人として立ち会うことはできず、正しい。
×肢2自筆証書遺言の作成に当たって、自筆証書にこれと一体のものとして添付する財産目録をパソコンで作成する場合、その財産目録への署名および押印は不要である。
自筆証書に添付する財産目録は自書を要しないが、遺言者はその目録の毎葉(両面に自書によらない記載があれば両面)に署名し、印を押さなければならないため誤りである。
○肢3同一の遺言者による公正証書遺言と自筆証書遺言について、それぞれの内容が異なっている場合、その異なっている部分については、作成日付の新しい遺言の内容が効力を有する。
前の遺言と後の遺言が抵触するときは、その抵触する部分について後の遺言で前の遺言を撤回したものとみなされ、遺言の方式は問わないため正しい。
○肢4自筆証書遺言書保管制度により法務局(遺言書保管所)に保管されている自筆証書遺言は、遺言者の相続開始後、家庭裁判所の検認が不要である。
遺言書保管所に保管されている自筆証書遺言については、家庭裁判所の検認の規定が適用されないため正しい。
関連条文解説で引用
- 民法第968条第2項
出典:日本FP協会 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定学科試験 2024年5月 問56 を加工して作成。本サイトは非公式の学習サイトです。
解説は2023年10月1日時点の法令に基づきます。基準日以降の改正が反映されていない場合があります。本サイトの解説は学習補助を目的とし、税務・投資・法律に関する助言ではありません。