リスク管理2024年4月1日時点の法令に基づく出題です
2024年9月 FP2級学科 問18
法人を契約者(=保険料負担者)とする損害保険に係る保険料等の経理処理に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1法人が所有する賃貸アパートを保険の対象として支払った地震保険の保険料は、地震保険料控除として5万円を限度として損金の額に算入することができる。
- 2法人が所有する賃貸アパートが台風により損壊し、法人が受け取った火災保険の保険金で原状回復のための修理をした場合、当該保険金を益金の額に算入し、修理費を損金の額に算入することができる。
- 3業務中の事故によりケガをするリスクに備えて、法人がすべての従業員を被保険者とする普通傷害保険に加入した場合、支払った保険料は、その2分の1相当額を限度として損金の額に算入することができる。
- 4法人が所有する業務用自動車が交通事故で全損となり、受け取った自動車保険の車両保険金で同一事業年度中に代替車両を取得した場合であっても、圧縮記帳は認められない。
正解と解説AI解説
正解 肢2
本問の論点
法人が契約者となる損害保険について、保険料の損金算入の可否、受け取った保険金と修理費の処理、圧縮記帳の適用の可否を問う問題である。個人の所得控除と法人の損金処理を区別できるかがポイントとなる。
正解の根拠
法人が受け取った火災保険の保険金は益金の額に算入し、その保険金で原状回復のために行った修理の費用は損金の額に算入する。保険金と修理費を両建てで計上する処理であり、本肢の記述はこれに合致する。よって、正解は肢2。
各肢の検討
肢1:不適切。地震保険料控除は個人の所得税等の所得控除であり、法人が支払う地震保険料に適用されるものではない。
肢2:適切。保険金は益金、修理費は損金として処理する。
肢3:不適切。すべての従業員を被保険者とする普通傷害保険の保険料は、2分の1相当額に限らず、全額を損金の額に算入できる。
肢4:不適切。所有固定資産の滅失により保険金等の支払を受け、当該事業年度終了の時までに代替資産を取得した場合は、圧縮限度額の範囲内で帳簿価額を損金経理により減額でき、その金額は損金の額に算入される(法人税法第47条第1項)。したがって圧縮記帳は認められる。
一言まとめ
法人に地震保険料控除はない。全損で代替資産を取得すれば圧縮記帳、修理なら保険金は益金・修理費は損金と押さえる。
一問一答各肢の正誤
×肢1法人が所有する賃貸アパートを保険の対象として支払った地震保険の保険料は、地震保険料控除として5万円を限度として損金の額に算入することができる。
地震保険料控除は個人の所得控除であり、法人が支払う地震保険料について5万円を限度に損金算入するという取扱いはない。
○肢2法人が所有する賃貸アパートが台風により損壊し、法人が受け取った火災保険の保険金で原状回復のための修理をした場合、当該保険金を益金の額に算入し、修理費を損金の額に算入することができる。
法人が受け取った火災保険金は益金の額に算入し、原状回復のための修理費は損金の額に算入する処理となるため、記述は正しい。
×肢3業務中の事故によりケガをするリスクに備えて、法人がすべての従業員を被保険者とする普通傷害保険に加入した場合、支払った保険料は、その2分の1相当額を限度として損金の額に算入することができる。
すべての従業員を被保険者とする普通傷害保険の保険料は全額を損金の額に算入でき、2分の1相当額を限度とするものではない。
×肢4法人が所有する業務用自動車が交通事故で全損となり、受け取った自動車保険の車両保険金で同一事業年度中に代替車両を取得した場合であっても、圧縮記帳は認められない。
所有固定資産の滅失により保険金等を受け、事業年度終了の時までに代替資産を取得した場合は圧縮記帳による損金算入が認められる。
関連条文解説で引用
- 法人税法第47条第1項
出典:日本FP協会 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定学科試験 2024年9月 問18 を加工して作成。本サイトは非公式の学習サイトです。
解説は2024年4月1日時点の法令に基づきます。基準日以降の改正が反映されていない場合があります。本サイトの解説は学習補助を目的とし、税務・投資・法律に関する助言ではありません。