相続・事業承継2024年4月1日時点の法令に基づく出題です
2024年9月 FP2級学科 問60
M&Aに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 1事業譲渡によるM&Aでは、譲受け側の会社は、個別に同意した範囲で特定の事業・財産のみを譲り受けるため、一般に、簿外債務や偶発債務リスクを遮断しやすい。
- 2株式譲渡によるM&Aでは、譲渡し側の法人格に変動はなく、会社の資産、負債、従業員や社外の第三者との契約、許認可等は、原則として存続する。
- 3会社が事業の全部の譲渡や事業の重要な一部の譲渡を行う場合、その行為に係る契約について、原則として、株主総会の決議による承認は不要である。
- 4事業譲渡によるM&Aにより事業を譲渡した会社は、当事者の別段の意思表示がない限り、同一の市町村の区域内およびこれに隣接する市町村の区域内において、その事業を譲渡した日から20年間は、同一の事業を行ってはならない。
正解と解説AI解説
正解 肢3
本問の論点
事業譲渡と株式譲渡というM&Aの代表的な手法の特徴と、事業譲渡に関する会社法の手続・競業禁止の規定を問う問題である。
正解の根拠
株式会社が事業の全部の譲渡(会社法第467条第1項第1号)や事業の重要な一部の譲渡(会社法第467条第1項第2号)をする場合には、効力発生日の前日までに、株主総会の決議によって、当該行為に係る契約の承認を受けなければならない(会社法第467条第1項)。肢3は「承認は不要」としており誤りである。よって、正解は肢3。
各肢の検討
肢1:適切。事業譲渡では合意した範囲の事業・財産のみを譲り受けるため、簿外債務等を遮断しやすい。
肢2:適切。株式譲渡では株主が変わるだけで法人格は変わらず、資産・負債・契約・許認可等は原則として存続する。
肢3:不適切。原則として株主総会の決議による承認が必要である。
肢4:適切。別段の意思表示がない限り、譲渡日から20年間の競業が禁止される(会社法第21条第1項)。
一言まとめ
事業譲渡は「株主総会の承認」と「20年の競業禁止」、株式譲渡は「法人格はそのまま」と押さえる。
一問一答各肢の正誤
○肢1事業譲渡によるM&Aでは、譲受け側の会社は、個別に同意した範囲で特定の事業・財産のみを譲り受けるため、一般に、簿外債務や偶発債務リスクを遮断しやすい。
事業譲渡では個別に合意した事業・財産のみを譲り受けるため、譲受け側は簿外債務や偶発債務を引き継ぐリスクを遮断しやすい。
○肢2株式譲渡によるM&Aでは、譲渡し側の法人格に変動はなく、会社の資産、負債、従業員や社外の第三者との契約、許認可等は、原則として存続する。
株式譲渡は株主が変わるだけで会社の法人格に変動はないため、資産・負債・契約・許認可等は原則として存続する。
×肢3会社が事業の全部の譲渡や事業の重要な一部の譲渡を行う場合、その行為に係る契約について、原則として、株主総会の決議による承認は不要である。
事業の全部の譲渡や事業の重要な一部の譲渡を行う場合、効力発生日の前日までに株主総会の決議による契約の承認を受けなければならない。
○肢4事業譲渡によるM&Aにより事業を譲渡した会社は、当事者の別段の意思表示がない限り、同一の市町村の区域内およびこれに隣接する市町村の区域内において、その事業を譲渡した日から20年間は、同一の事業を行ってはならない。
譲渡会社は別段の意思表示がない限り、同一及び隣接する市町村の区域内で、譲渡日から二十年間は同一の事業を行ってはならない。
関連条文解説で引用
- 会社法第467条第1項
- 会社法第467条第1項第1号
- 会社法第467条第1項第2号
- 会社法第21条第1項
出典:日本FP協会 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定学科試験 2024年9月 問60 を加工して作成。本サイトは非公式の学習サイトです。
解説は2024年4月1日時点の法令に基づきます。基準日以降の改正が反映されていない場合があります。本サイトの解説は学習補助を目的とし、税務・投資・法律に関する助言ではありません。