相続・事業承継2024年10月1日時点の法令に基づく出題です
2025年1月 FP2級学科 問54
民法上の相続分に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、記載のない事項については考慮しないものとする。
- 1相続人が複数いる場合、各共同相続人は、被相続人の遺言により相続分や遺産分割方法の指定がされていなければ、法定相続分どおりに相続財産を分割しなければならない。
- 2共同相続人の1人が遺産の分割前にその相続分を共同相続人以外の第三者に譲り渡した場合、他の共同相続人は、当該第三者に対して一定期間内にその価額および費用を支払うことで、その相続分を譲り受けることができる。
- 3被相続人の兄弟姉妹が相続人である場合において、当該兄弟姉妹のうち被相続人の相続開始以前に死亡した者がいるときは、その死亡した者の子が代襲して相続人となる。
- 4養子の法定相続分は、実子の法定相続分と同じである。
正解と解説AI解説
正解 肢1
本問の論点
民法上の相続分について、遺産分割の自由、相続分の取戻権、兄弟姉妹の代襲相続、養子の相続分を問う問題である。法定相続分は分割の「目安」であり、分割を拘束するものではない点がポイントとなる。
正解の根拠
各共同相続人は、相続分に応じて被相続人の権利義務を承継する(民法第899条第1項)。しかし、遺言による指定がない場合でも、共同相続人全員の協議が調えば、法定相続分と異なる割合で遺産を分割することができる。法定相続分どおりに分割しなければならないとする肢1は誤りである。よって、正解は肢1。
各肢の検討
肢1:不適切。全員の合意による協議分割であれば、法定相続分と異なる分割も有効である。
肢2:適切。他の共同相続人は、価額および費用を償還して相続分を譲り受けることができ(民法第905条第1項)、この権利は1か月以内に行使しなければならない(民法第905条第2項)。
肢3:適切。兄弟姉妹が相続人となる場合も代襲相続が認められ、死亡した兄弟姉妹の子が相続人となる。
肢4:適切。養子は養親の嫡出子の身分を取得するため、法定相続分は実子と同じである。
一言まとめ
「法定相続分どおりに分けなければならない」は誤りの定番である。協議分割は全員の合意があれば自由と覚える。
一問一答各肢の正誤
×肢1相続人が複数いる場合、各共同相続人は、被相続人の遺言により相続分や遺産分割方法の指定がされていなければ、法定相続分どおりに相続財産を分割しなければならない。
遺言による相続分や分割方法の指定がなくても、共同相続人全員の協議が調えば、法定相続分と異なる割合で遺産を分割することができる。
○肢2共同相続人の1人が遺産の分割前にその相続分を共同相続人以外の第三者に譲り渡した場合、他の共同相続人は、当該第三者に対して一定期間内にその価額および費用を支払うことで、その相続分を譲り受けることができる。
共同相続人の一人が遺産分割前に相続分を第三者に譲り渡したときは、他の共同相続人は1か月以内にその価額および費用を償還して、その相続分を譲り受けることができる。
○肢3被相続人の兄弟姉妹が相続人である場合において、当該兄弟姉妹のうち被相続人の相続開始以前に死亡した者がいるときは、その死亡した者の子が代襲して相続人となる。
兄弟姉妹が相続人となる場合、相続開始以前に死亡した兄弟姉妹がいるときは、その子(被相続人の甥・姪)が代襲して相続人となる。
○肢4養子の法定相続分は、実子の法定相続分と同じである。
養子は縁組の日から養親の嫡出子の身分を取得するため、民法上の法定相続分は実子と同じである。
関連条文解説で引用
- 民法第905条第1項
- 民法第905条第2項
出典:日本FP協会 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定学科試験 2025年1月 問54 を加工して作成。本サイトは非公式の学習サイトです。
解説は2024年10月1日時点の法令に基づきます。基準日以降の改正が反映されていない場合があります。本サイトの解説は学習補助を目的とし、税務・投資・法律に関する助言ではありません。