相続・事業承継2024年10月1日時点の法令に基づく出題です
2025年1月 FP2級学科 問58
相続対策としての生命保険の活用等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 1相続税は、金銭による一括納付が原則とされているため、相続財産の大半が不動産であり一括納付が困難になると見込まれる場合には、納税資金対策として、不動産を承継する相続人を死亡保険金受取人とする生命保険契約を締結する方法が考えられる。
- 2契約者(=保険料負担者)および被保険者が夫、死亡保険金受取人が妻である生命保険契約において、夫の死亡により妻が受け取った死亡保険金は、受取人の固有の財産であり、原則として、遺産分割協議の対象とならない。
- 3相続税額の計算上、死亡保険金の非課税金額の規定による非課税限度額は、「500万円×法定相続人の数」の算式により計算した金額である。
- 4契約者(=保険料負担者)および被保険者が夫、死亡保険金受取人が妻である生命保険契約において、夫の死亡により妻が受け取った死亡保険金は、妻が相続の放棄をした場合であっても、相続税額の計算上、死亡保険金の非課税金額の規定の適用を受けることができる。
正解と解説AI解説
正解 肢4
本問の論点
相続対策としての生命保険の活用について、納税資金対策、遺産分割との関係、死亡保険金の非課税金額の計算とその適用対象者を問う問題である。とくに、相続の放棄をした者と非課税規定の関係が問われている。
正解の根拠
死亡保険金の非課税金額の規定は、相続人が取得した死亡保険金について適用される制度である。相続の放棄をした者は、はじめから相続人とならなかったものとみなされるため、死亡保険金を受け取ること自体はできても、この非課税規定の適用は受けられない。したがって、放棄をした妻でも適用を受けられるとする肢4は不適切である。よって、正解は肢4。
各肢の検討
肢1:適切。相続税は金銭一括納付が原則であり、不動産を承継する相続人を受取人とする保険は納税資金の確保に役立つ。
肢2:適切。受取人固有の財産であり、原則として遺産分割協議の対象外である。
肢3:適切。非課税限度額は「500万円×法定相続人の数」で計算する。
肢4:不適切。放棄をした者は相続人ではないため、非課税規定の適用を受けられない。
一言まとめ
非課税限度額の計算上の「法定相続人の数」には放棄者を含めるが、非課税の適用を受けられるのは相続人だけ、と区別して覚える。
一問一答各肢の正誤
○肢1相続税は、金銭による一括納付が原則とされているため、相続財産の大半が不動産であり一括納付が困難になると見込まれる場合には、納税資金対策として、不動産を承継する相続人を死亡保険金受取人とする生命保険契約を締結する方法が考えられる。
相続税は金銭一括納付が原則であり、不動産を承継する相続人を死亡保険金受取人にすれば、その保険金を納税資金に充てられるため、納税資金対策として有効である。
○肢2契約者(=保険料負担者)および被保険者が夫、死亡保険金受取人が妻である生命保険契約において、夫の死亡により妻が受け取った死亡保険金は、受取人の固有の財産であり、原則として、遺産分割協議の対象とならない。
受取人が指定された死亡保険金は、受取人が保険契約に基づき固有に取得する財産であり、民法上の相続財産ではないため、原則として遺産分割協議の対象とならない。
○肢3相続税額の計算上、死亡保険金の非課税金額の規定による非課税限度額は、「500万円×法定相続人の数」の算式により計算した金額である。
死亡保険金の非課税限度額は「500万円×法定相続人の数」で計算され、この法定相続人の数には相続の放棄をした者も含めて数える。
×肢4契約者(=保険料負担者)および被保険者が夫、死亡保険金受取人が妻である生命保険契約において、夫の死亡により妻が受け取った死亡保険金は、妻が相続の放棄をした場合であっても、相続税額の計算上、死亡保険金の非課税金額の規定の適用を受けることができる。
死亡保険金の非課税金額の規定は相続人が取得した保険金に適用されるものであり、相続の放棄をした者は相続人でないため、妻が放棄した場合には適用を受けることができない。
出典:日本FP協会 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定学科試験 2025年1月 問58 を加工して作成。本サイトは非公式の学習サイトです。
解説は2024年10月1日時点の法令に基づきます。基準日以降の改正が反映されていない場合があります。本サイトの解説は学習補助を目的とし、税務・投資・法律に関する助言ではありません。