相続・事業承継2024年10月1日時点の法令に基づく出題です
2025年1月 FP2級学科 問60
2024年4月1日に施行された改正不動産登記法における相続登記に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 1相続により不動産を取得した相続人は、原則として、自己のために相続の開始があったことを知り、かつ、その所有権を取得したことを知った日から3年以内に相続登記の申請をしなければならない。
- 2相続登記の申請をしなければならない者は、登記官に対し、所有権の登記名義人について相続が開始した旨および自らが当該所有権の登記名義人の相続人である旨を申し出ることで、相続登記の申請の義務を履行したものとみなされる。
- 32024年3月31日以前に開始した相続により不動産を取得した相続人は、相続登記がされていない場合であっても、その所有権について相続登記の申請をする義務はない。
- 4相続登記の申請をしなければならない者が、正当な理由がないのにその申請を怠った場合、罰則の適用対象となる。
正解と解説AI解説
正解 肢3
本問の論点
2024年4月1日に施行された改正不動産登記法による相続登記の申請義務化について、申請期限、相続人申告登記、施行日前の相続への適用、罰則を問う問題である。
正解の根拠
相続登記の申請義務は、施行日前に開始した相続により不動産を取得した場合にも適用される。相続登記がされていない不動産は、施行日前の相続によるものであっても、猶予期間内に相続登記を申請しなければならない。義務はないとする肢3は不適切である。よって、正解は肢3。
各肢の検討
肢1:適切。相続を知り、かつ所有権の取得を知った日から3年以内に申請しなければならない(不動産登記法第76条の2第1項)。
肢2:適切。相続人である旨の申出(不動産登記法第76条の3第1項)を期間内にすれば、申請義務を履行したものとみなされる(不動産登記法第76条の3第2項)。
肢3:不適切。施行日前の相続にも申請義務が及ぶ。
肢4:適切。正当な理由なく申請を怠ると、過料の対象となる。
一言まとめ
相続登記の義務化は過去の相続にもさかのぼって適用される、という点が最頻出である。
一問一答各肢の正誤
○肢1相続により不動産を取得した相続人は、原則として、自己のために相続の開始があったことを知り、かつ、その所有権を取得したことを知った日から3年以内に相続登記の申請をしなければならない。
相続により所有権を取得した者は、相続の開始があったことを知り、かつ所有権を取得したことを知った日から三年以内に所有権の移転の登記を申請しなければならない。
○肢2相続登記の申請をしなければならない者は、登記官に対し、所有権の登記名義人について相続が開始した旨および自らが当該所有権の登記名義人の相続人である旨を申し出ることで、相続登記の申請の義務を履行したものとみなされる。
申請義務を負う者は相続が開始した旨および自らが相続人である旨を登記官に申し出ることができ、期間内に申出をすれば申請義務を履行したものとみなされる。
×肢32024年3月31日以前に開始した相続により不動産を取得した相続人は、相続登記がされていない場合であっても、その所有権について相続登記の申請をする義務はない。
相続登記の申請義務は改正法の施行日前に開始した相続により取得した不動産で相続登記がされていないものにも適用されるため、申請義務がないとする記述は誤りである。
○肢4相続登記の申請をしなければならない者が、正当な理由がないのにその申請を怠った場合、罰則の適用対象となる。
相続登記の申請義務を負う者が正当な理由がないのにその申請を怠ったときは、過料の制裁の対象となる。
関連条文解説で引用
- 不動産登記法第76条の2第1項
- 不動産登記法第76条の3第1項
- 不動産登記法第76条の3第2項
出典:日本FP協会 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定学科試験 2025年1月 問60 を加工して作成。本サイトは非公式の学習サイトです。
解説は2024年10月1日時点の法令に基づきます。基準日以降の改正が反映されていない場合があります。本サイトの解説は学習補助を目的とし、税務・投資・法律に関する助言ではありません。