不動産2017年10月1日時点の法令に基づく出題です
2018年1月 FP2級学科 問49
個人が居住用財産を譲渡した場合の譲渡所得の特例に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、記載されたもの以外の要件はすべて満たしているものとする。
- 1居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除は、譲渡した年の1月1日において、譲渡した居住用財産の所有期間が10年を超えていなければ適用を受けることができない。
- 2居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除と、居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例(軽減税率の特例)は、重複して適用を受けることができる。
- 3居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除は、配偶者に対して譲渡した場合には適用を受けることができない。
- 4居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除は、居住用財産を居住の用に供さなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までの間の譲渡であれば、適用を受けることができる。
正解と解説AI解説
正解 肢1
本問の論点
居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除と、軽減税率の特例との違いを問う問題である。「最も不適切なもの」を問うので、条文の要件と食い違う記述を探す。
正解の根拠
3,000万円の特別控除の対象となる居住用財産の譲渡には、所有期間による限定は定められていない(措置法第35条第2項)。所有期間が10年を超えることを要するのは、軽減税率の特例のほうである(措置法第31条の3第1項)。したがって、特別控除に所有期間10年超を要するとした肢1の記述が誤りである。よって、正解は肢1。
各肢の検討
肢1:特別控除に所有期間10年超の要件はなく、不適切である。
肢2:軽減税率の特例の適用が除かれる場合の中に、特別控除の規定は含まれていないため、重複して適用でき、適切である(措置法第31条の3第1項)。
肢3:配偶者その他政令で定める特別の関係がある者に対する譲渡は特別控除の対象から除かれるため、適切である(措置法第35条第2項第1号)。
肢4:居住の用に供されなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までの譲渡であれば対象となるため、適切である(措置法第35条第2項第2号)。
一言まとめ
所有期間10年超が要件なのは軽減税率の特例であり、特別控除ではない。両者は併用できる。
一問一答各肢の正誤
×肢1居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除は、譲渡した年の1月1日において、譲渡した居住用財産の所有期間が10年を超えていなければ適用を受けることができない。
3,000万円の特別控除に所有期間10年超の要件は定められておらず、これを要件とする記述は誤りである。所有期間10年超は軽減税率の特例の要件である。
○肢2居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除と、居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例(軽減税率の特例)は、重複して適用を受けることができる。
軽減税率の特例の適用が除かれる場合の中に特別控除の規定は含まれていないため、両者は重複して適用を受けることができる。
○肢3居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除は、配偶者に対して譲渡した場合には適用を受けることができない。
配偶者その他政令で定める特別の関係がある者に対する譲渡は特別控除の対象から除かれるため、配偶者への譲渡では適用を受けられない。
○肢4居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除は、居住用財産を居住の用に供さなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までの間の譲渡であれば、適用を受けることができる。
居住の用に供されなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までの譲渡であれば、特別控除の対象となる。
関連条文解説で引用
- 措置法第35条第2項
- 措置法第31条の3第1項
- 措置法第35条第2項第1号
- 措置法第35条第2項第2号
出典:日本FP協会 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定学科試験 2018年1月 問49 を加工して作成。本サイトは非公式の学習サイトです。
解説は2017年10月1日時点の法令に基づきます。基準日以降の改正が反映されていない場合があります。本サイトの解説は学習補助を目的とし、税務・投資・法律に関する助言ではありません。