相続・事業承継2018年4月1日時点の法令に基づく出題です
2018年9月 FP2級学科 問55
民法で規定する相続の承認および放棄に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1相続の放棄をしようとする者が一人でもいる場合は、相続の開始があったことを知った時から原則として3ヵ月以内に、共同相続人全員が、家庭裁判所に対して、相続の放棄をする旨を申述しなければならない。
- 2推定相続人が相続の開始前に相続の放棄をしようとする場合は、家庭裁判所に対してその旨を申述して許可を受ける必要がある。
- 3限定承認をしようとする場合、相続の開始があったことを知った時から原則として3ヵ月以内に、その旨を家庭裁判所に相続人全員が共同して申述しなければならない。
- 4相続人が相続の放棄をした場合、放棄をした者の子が、放棄をした者に代わって相続人となる。
正解と解説AI解説
正解 肢3
本問の論点
相続の承認と放棄について、期限、申述の方式、共同して行う必要があるか、放棄の効果を問う問題である。単純承認、限定承認、相続の放棄の違いを整理する。
正解の根拠
相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から原則として3箇月以内に、承認または放棄をしなければならない(民法第915条第1項)。限定承認をする場合は、その期間内に、相続財産の目録を作成して家庭裁判所に提出し、限定承認をする旨を申述しなければならない(民法第924条第1項)。限定承認は相続人全員が共同して行う必要がある。したがって、肢3が正しい。よって、正解は肢3。
各肢の検討
肢1:不適切。相続の放棄は、放棄をしようとする者が家庭裁判所に申述する(民法第938条第1項)。共同相続人全員で行う必要はない。
肢2:不適切。相続の放棄は、相続の開始後にするものであり、相続の開始前に放棄をすることはできない。
肢3:適切。限定承認は3箇月以内に、相続人全員が共同して家庭裁判所に申述する。
肢4:不適切。相続の放棄をした者は初めから相続人でなかったものとなり、その子が代襲して相続人となることはない。
一言まとめ
「限定承認は全員共同、放棄は各自単独」「放棄は相続開始後のみ」「放棄では代襲相続は生じない」と覚える。
一問一答各肢の正誤
×肢1相続の放棄をしようとする者が一人でもいる場合は、相続の開始があったことを知った時から原則として3ヵ月以内に、共同相続人全員が、家庭裁判所に対して、相続の放棄をする旨を申述しなければならない。
相続の放棄は、放棄をしようとする者が各自で家庭裁判所に申述するものであり、共同相続人全員で行わなければならないわけではない。
×肢2推定相続人が相続の開始前に相続の放棄をしようとする場合は、家庭裁判所に対してその旨を申述して許可を受ける必要がある。
相続の放棄は相続の開始後にするものであり、推定相続人が相続の開始前に家庭裁判所の許可を得て相続の放棄をすることはできない。
○肢3限定承認をしようとする場合、相続の開始があったことを知った時から原則として3ヵ月以内に、その旨を家庭裁判所に相続人全員が共同して申述しなければならない。
限定承認は、相続の開始があったことを知った時から原則として3箇月以内に、相続財産の目録を作成して家庭裁判所に申述し、相続人全員が共同して行う。
×肢4相続人が相続の放棄をした場合、放棄をした者の子が、放棄をした者に代わって相続人となる。
相続の放棄をした者は初めから相続人でなかったものとなり、その子が代わって相続人となる代襲相続は生じない。
関連条文解説で引用
- 民法第938条第1項
- 民法第924条第1項
- 民法第915条第1項
出典:日本FP協会 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定学科試験 2018年9月 問55 を加工して作成。本サイトは非公式の学習サイトです。
解説は2018年4月1日時点の法令に基づきます。基準日以降の改正が反映されていない場合があります。本サイトの解説は学習補助を目的とし、税務・投資・法律に関する助言ではありません。