ライフプランニングと資金計画2018年10月1日時点の法令に基づく出題です
2019年5月 FP2級学科 問7
公的年金の遺族給付に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 1遺族基礎年金を受給することができる遺族は、国民年金の被保険者または被保険者であった者の死亡の当時、その者によって生計を維持し、かつ、所定の要件を満たす「子のある配偶者」または「子」に限られる。
- 2厚生年金保険の被保険者が死亡したことにより支給される遺族厚生年金の年金額は、死亡した者の厚生年金保険の被保険者期間の月数が300月未満の場合は、300月とみなして計算する。
- 3厚生年金保険の被保険者が死亡したことにより遺族厚生年金の受給権者となった子が、直系血族である祖父の養子となった場合、当該子の遺族厚生年金の受給権は消滅する。
- 4国民年金の第1号被保険者が死亡し、その遺族である妻が寡婦年金と死亡一時金の両方の受給要件を満たす場合、その妻はどちらか一方を選択して受給する。
正解と解説AI解説
正解 肢3
本問の論点
公的年金の遺族給付について、遺族基礎年金・遺族厚生年金・寡婦年金と死亡一時金の取扱いを問う問題です。中心になるのは、遺族厚生年金の受給権が養子縁組によって消滅する場合の理解です。
正解の根拠
遺族厚生年金の受給権は、厚生年金保険法第63条第1項第3号により、直系血族及び直系姻族以外の者の養子となったときに消滅します。直系血族である祖父の養子となった場合は、この失権事由に当たらず、受給権は消滅しません。肢3は「消滅する」としているため誤りです。よって、正解は肢3。
各肢の検討
肢1:適切。遺族基礎年金を受けられるのは、生計を維持されていた配偶者または子であり、配偶者は要件に該当する子と生計を同じくすることが求められるため、「子のある配偶者」または「子」に限られます(国民年金法第37条の2第1項第1号)。
肢2:適切。遺族厚生年金の年金額は、被保険者期間の月数が300に満たないときは300として計算します。
肢3:不適切。直系血族の養子となっても失権しないため、「消滅する」という記述が誤りです。
肢4:適切。寡婦年金と死亡一時金の両方の受給要件を満たす妻は、どちらか一方を選択して受給します。
一言まとめ
養子縁組で失権するのは「直系血族・直系姻族以外の者」の養子になったときだけです。祖父の養子なら、この事由では失権しません。
一問一答各肢の正誤
○肢1遺族基礎年金を受給することができる遺族は、国民年金の被保険者または被保険者であった者の死亡の当時、その者によって生計を維持し、かつ、所定の要件を満たす「子のある配偶者」または「子」に限られる。
遺族基礎年金の対象は、生計を維持されていた配偶者と子であり、配偶者は要件に該当する子と生計を同じくすることが必要なため、「子のある配偶者」または「子」に限られる。
○肢2厚生年金保険の被保険者が死亡したことにより支給される遺族厚生年金の年金額は、死亡した者の厚生年金保険の被保険者期間の月数が300月未満の場合は、300月とみなして計算する。
遺族厚生年金の年金額は、死亡した者の被保険者期間の月数が300に満たないときは300として計算する。
×肢3厚生年金保険の被保険者が死亡したことにより遺族厚生年金の受給権者となった子が、直系血族である祖父の養子となった場合、当該子の遺族厚生年金の受給権は消滅する。
直系血族である祖父の養子となった場合は、直系血族及び直系姻族以外の者の養子となったときという失権事由に当たらず、受給権は消滅しない。
○肢4国民年金の第1号被保険者が死亡し、その遺族である妻が寡婦年金と死亡一時金の両方の受給要件を満たす場合、その妻はどちらか一方を選択して受給する。
寡婦年金と死亡一時金の両方の受給要件を満たす妻は、どちらか一方を選択して受給する。
関連条文解説で引用
- 国民年金法第37条の2第1項
- 国民年金法第37条の2第1項第1号
- 国民年金法第37条の2第1項第2号
- 厚生年金保険法第63条第1項第3号
出典:日本FP協会 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定学科試験 2019年5月 問7 を加工して作成。本サイトは非公式の学習サイトです。
解説は2018年10月1日時点の法令に基づきます。基準日以降の改正が反映されていない場合があります。本サイトの解説は学習補助を目的とし、税務・投資・法律に関する助言ではありません。