タックスプランニング2018年10月1日時点の法令に基づく出題です
2019年5月 FP2級学科 問40
会社と役員間の取引に係る所得税・法人税に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 1役員が所有する土地を会社に無償で譲渡した場合、会社は、適正な時価を受贈益として益金の額に算入する。
- 2会社が所有する資産を役員に譲渡した場合、その譲渡対価が適正な時価の2分の1未満であったときは、適正な時価相当額が役員給与とされる。
- 3会社が所有する社宅に役員が無償で居住している場合には、原則として、通常の賃貸料相当額が、その役員の給与所得の収入金額に算入される。
- 4役員が会社に対して無利息で金銭の貸付けを行った場合には、通常収受すべき利息に相当する金額について、役員には原則として課税されない。
正解と解説AI解説
正解 肢2
本問の論点
会社と役員の間の取引について、法人税と所得税の両面から課税関係の正誤を問う問題です。無償譲渡、低額譲渡、社宅の無償提供、無利息貸付といった典型的な取引が取り上げられています。
正解の根拠
会社が所有する資産を役員に低額で譲渡した場合、適正な時価と譲渡対価との差額は、役員に対する経済的利益の供与として役員給与に当たります。役員給与とされるのは時価の全額ではなく差額相当額であり、時価の2分の1未満のときに限って課税されるわけでもありません。したがって肢2の記述は誤りで、最も不適切です。よって、正解は肢2。
各肢の検討
肢1:適切。役員から無償で土地の譲渡を受けた会社は、適正な時価を受贈益として益金の額に算入します。
肢2:不適切。役員給与とされるのは時価と対価の差額であり、「適正な時価相当額」や「2分の1未満」という限定は誤りです。
肢3:適切。社宅を無償で使用する役員には、原則として通常の賃貸料相当額が給与所得の収入金額に算入されます。
肢4:適切。役員が会社に無利息で貸し付けても、通常の利息相当額は役員に原則として課税されません。
一言まとめ
低額譲渡では「時価との差額」が役員給与になると押さえ、無償譲渡・社宅・無利息貸付は、誰に何が課税されるかを主体ごとに整理しましょう。
一問一答各肢の正誤
○肢1役員が所有する土地を会社に無償で譲渡した場合、会社は、適正な時価を受贈益として益金の額に算入する。
役員から無償で譲渡を受けた土地について、会社は適正な時価を受贈益として益金の額に算入するため、記述は正しい。
×肢2会社が所有する資産を役員に譲渡した場合、その譲渡対価が適正な時価の2分の1未満であったときは、適正な時価相当額が役員給与とされる。
会社が役員に低額で資産を譲渡したとき役員給与とされるのは時価と対価の差額であり、時価の全額でも2分の1未満に限った扱いでもないため誤り。
○肢3会社が所有する社宅に役員が無償で居住している場合には、原則として、通常の賃貸料相当額が、その役員の給与所得の収入金額に算入される。
会社の社宅に役員が無償で居住する場合、無償で住めることが経済的利益となり、通常の賃貸料相当額が給与所得の収入金額に算入されるため正しい。
○肢4役員が会社に対して無利息で金銭の貸付けを行った場合には、通常収受すべき利息に相当する金額について、役員には原則として課税されない。
役員が会社に無利息で金銭を貸し付けても、通常収受すべき利息相当額は貸し手の役員には原則として課税されないため、記述は正しい。
出典:日本FP協会 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定学科試験 2019年5月 問40 を加工して作成。本サイトは非公式の学習サイトです。
解説は2018年10月1日時点の法令に基づきます。基準日以降の改正が反映されていない場合があります。本サイトの解説は学習補助を目的とし、税務・投資・法律に関する助言ではありません。