不動産2019年10月1日時点の法令に基づく出題です
2020年1月 FP2級学科 問50
不動産の投資判断の手法等に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1IRR法(内部収益率法)による投資判断においては、内部収益率が対象不動産に対する投資家の期待収益率を上回っている場合、その投資は有利であると判定することができる。
- 2収益還元法のうち直接還元法は、連続する複数の期間に発生する純収益および復帰価格を、その発生時期に応じて現在価値に割り引き、それぞれを合計して対象不動産の収益価格を求める手法である。
- 3NPV法(正味現在価値法)による投資判断においては、投資額の現在価値の合計額が対象不動産から得られる収益の現在価値の合計額を上回っている場合、その投資は有利であると判定することができる。
- 4NOI利回り(純利回り)は、対象不動産から得られる年間の総収入を総投資額で除して算出される利回りである。
正解と解説AI解説
正解 肢1
本問の論点
不動産投資の判断手法であるIRR法・NPV法・収益還元法(直接還元法とDCF法)・NOI利回りについて、定義と有利と判定する条件を問う問題です。それぞれの計算の中身と、判定基準の向きを正確に区別できるかが論点になります。
正解の根拠
IRR(内部収益率)は、投資から得られる将来の収益の現在価値の合計と投資額とが等しくなる割引率のことです。この内部収益率が投資家の期待収益率を上回っていれば、期待した水準以上の利回りが見込めるため、その投資は有利と判定できます。よって、正解は肢1。
各肢の検討
肢1:適切。内部収益率が期待収益率を上回る投資は、有利と判定できます。
肢2:不適切。複数期間の純収益と復帰価格を現在価値に割り引いて合計する手法はDCF法です。直接還元法は、単年度の純収益を還元利回りで割り戻して収益価格を求めます。
肢3:不適切。NPV法では、収益の現在価値の合計が投資額の現在価値の合計を上回る(正味現在価値がプラスの)ときに有利と判定します。記述は大小が逆です。
肢4:不適切。NOI利回りは、総収入ではなく、総収入から運営費用を差し引いた純収益(NOI)を総投資額で除して求めます。
一言まとめ
IRRは期待収益率との比較、NPVは収益の現在価値と投資額の比較で、「上回れば有利」と覚えましょう。NOIは必ず費用控除後の純収益です。
一問一答各肢の正誤
○肢1IRR法(内部収益率法)による投資判断においては、内部収益率が対象不動産に対する投資家の期待収益率を上回っている場合、その投資は有利であると判定することができる。
内部収益率が投資家の期待収益率を上回っていれば、期待を超える利回りが見込めるため、その投資は有利と判定できる。
×肢2収益還元法のうち直接還元法は、連続する複数の期間に発生する純収益および復帰価格を、その発生時期に応じて現在価値に割り引き、それぞれを合計して対象不動産の収益価格を求める手法である。
複数期間の純収益と復帰価格を現在価値に割り引いて合計する手法はDCF法であり、直接還元法の説明ではない。
×肢3NPV法(正味現在価値法)による投資判断においては、投資額の現在価値の合計額が対象不動産から得られる収益の現在価値の合計額を上回っている場合、その投資は有利であると判定することができる。
NPV法は収益の現在価値の合計が投資額の現在価値の合計を上回るときに有利と判定するので、記述は大小関係が逆である。
×肢4NOI利回り(純利回り)は、対象不動産から得られる年間の総収入を総投資額で除して算出される利回りである。
NOI利回りは年間の総収入ではなく、総収入から運営費用を差し引いた純収益を総投資額で除して算出する。
出典:日本FP協会 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定学科試験 2020年1月 問50 を加工して作成。本サイトは非公式の学習サイトです。
解説は2019年10月1日時点の法令に基づきます。基準日以降の改正が反映されていない場合があります。本サイトの解説は学習補助を目的とし、税務・投資・法律に関する助言ではありません。