相続・事業承継2019年10月1日時点の法令に基づく出題です
2020年1月 FP2級学科 問59
不動産を相続した場合の相続税の納税資金対策に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 1「小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例」の適用を受けた宅地等を物納する場合の収納価額は、特例適用後の価額である。
- 2相続により土地を取得して相続税が課された者が、その土地を当該相続の開始があった日の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までに譲渡した場合、譲渡所得の金額の計算上、その者が負担した相続税額のうち、その土地に対応する部分の金額を取得費に加算することができる。
- 3延納の許可を受けた相続税額について、所定の要件を満たせば延納から物納へ変更することができる。
- 4課税相続財産の価額に占める不動産等の価額の割合が75%以上である場合、不動産等の価額に対応する部分の相続税の延納税額の延納期間は、最長で15年となる。
正解と解説AI解説
正解 肢4
本問の論点
相続した不動産に関する納税資金対策として、物納の収納価額、取得費加算の特例、延納から物納への変更、延納期間の特例を区別できるかを問う問題です。「最も不適切なもの」を選びます。
正解の根拠
課税相続財産の価額のうち不動産等の価額が占める割合が四分の三以上であるときは、不動産等部分の税額の延納期間を20年以内とすることができます(措置法第70条の10第1項)。肢4は割合を75%以上としながら最長15年としており、この点が誤りです。15年以内は、不動産等の割合が十分の五以上の場合の期間です。よって、正解は肢4。
各肢の検討
肢1:特例適用後の価額が収納価額となるので適切です。
肢2:相続開始の日の翌日から申告期限の翌日以後3年を経過する日までの譲渡なら、譲渡した土地に対応する相続税額を取得費に加算でき、適切です(措置法第39条第1項)。
肢3:所定の要件を満たせば延納から物納へ変更でき、適切です。
肢4:75%以上なら最長20年であり、15年は不適切です。
一言まとめ
延納期間は不動産等の割合で変わります。四分の三以上なら不動産等部分は20年と覚えましょう。
一問一答各肢の正誤
○肢1「小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例」の適用を受けた宅地等を物納する場合の収納価額は、特例適用後の価額である。
小規模宅地等の特例の適用を受けた宅地等を物納する場合、収納価額は特例適用後の価額となるため、この記述は正しい。
○肢2相続により土地を取得して相続税が課された者が、その土地を当該相続の開始があった日の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までに譲渡した場合、譲渡所得の金額の計算上、その者が負担した相続税額のうち、その土地に対応する部分の金額を取得費に加算することができる。
相続開始の日の翌日から申告期限の翌日以後3年を経過する日までに譲渡すれば、相続税額のうち譲渡した土地に対応する部分を取得費に加算でき、この記述は正しい。
○肢3延納の許可を受けた相続税額について、所定の要件を満たせば延納から物納へ変更することができる。
延納の許可を受けた後でも、所定の要件を満たせば延納から物納へ変更することができるため、この記述は正しい。
×肢4課税相続財産の価額に占める不動産等の価額の割合が75%以上である場合、不動産等の価額に対応する部分の相続税の延納税額の延納期間は、最長で15年となる。
不動産等の割合が75%以上であれば、不動産等部分の延納期間は最長で20年とされるため、15年とする記述は誤りである。
関連条文解説で引用
- 措置法第39条第1項
- 措置法第70条の10第1項
出典:日本FP協会 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定学科試験 2020年1月 問59 を加工して作成。本サイトは非公式の学習サイトです。
解説は2019年10月1日時点の法令に基づきます。基準日以降の改正が反映されていない場合があります。本サイトの解説は学習補助を目的とし、税務・投資・法律に関する助言ではありません。