相続・事業承継2020年4月1日時点の法令に基づく出題です
2020年9月 FP2級学科 問60
非上場企業の事業承継対策等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 1経営者への役員退職金の原資の準備として、契約者(=保険料負担者)および死亡保険金受取人を法人、被保険者を経営者とする終身保険などの生命保険に加入することが考えられる。
- 2経営者が保有している自社株式を役員である後継者に取得させる場合、後継者にとってその取得資金の負担が大きいときには、あらかじめ後継者の役員報酬を増加させるなどの対策を講じることが考えられる。
- 3「非上場株式等についての贈与税の納税猶予及び免除の特例」の適用を受ける場合、相続時精算課税制度の適用を受けることはできない。
- 4「非上場株式等についての贈与税の納税猶予及び免除の特例」の適用を受けた場合、後継者が先代経営者から贈与を受けたすべての非上場株式が、その特例の対象となる。
正解と解説AI解説
正解 肢3
本問の論点
非上場企業の事業承継対策について、最も不適切な記述を選ぶ問題である。生命保険による退職金原資の準備、後継者の取得資金の負担への対応、贈与税の納税猶予の特例と相続時精算課税制度との関係、特例の対象となる株式の範囲が問われている。
正解の根拠
贈与税の納税猶予の特例の適用を受ける場合でも、相続時精算課税制度の適用を受けることは可能である。したがって「適用を受けることはできない」とする肢3の記述が誤りである。よって、正解は肢3。
各肢の検討
肢1:法人が契約者・保険料負担者・死亡保険金受取人となり経営者を被保険者とする終身保険は、役員退職金の原資の準備として考えられ、適切。
肢2:後継者の役員報酬をあらかじめ増やし、株式の取得資金を用意しやすくする対策は考えられ、適切。
肢3:特例の適用と相続時精算課税制度の適用は両立するため、「できない」とする記述は不適切。
肢4:特例措置では、申告書に適用を受ける旨を記載した株式が対象で、3分の2までという上限がない(措置法第70条の7の5第1項)。適切。
一言まとめ
納税猶予の特例と相続時精算課税制度は両立する、と覚える。
一問一答各肢の正誤
○肢1経営者への役員退職金の原資の準備として、契約者(=保険料負担者)および死亡保険金受取人を法人、被保険者を経営者とする終身保険などの生命保険に加入することが考えられる。
法人が契約者・保険料負担者・死亡保険金受取人となり、経営者を被保険者とする終身保険は、役員退職金の原資の準備として考えられる。
○肢2経営者が保有している自社株式を役員である後継者に取得させる場合、後継者にとってその取得資金の負担が大きいときには、あらかじめ後継者の役員報酬を増加させるなどの対策を講じることが考えられる。
後継者の株式取得資金の負担が大きいときに、あらかじめ役員報酬を増加させて資金を用意しやすくする対策は考えられる。
×肢3「非上場株式等についての贈与税の納税猶予及び免除の特例」の適用を受ける場合、相続時精算課税制度の適用を受けることはできない。
贈与税の納税猶予の特例の適用を受ける場合でも相続時精算課税制度の適用を受けることは可能であり、「できない」とする記述は誤りである。
○肢4「非上場株式等についての贈与税の納税猶予及び免除の特例」の適用を受けた場合、後継者が先代経営者から贈与を受けたすべての非上場株式が、その特例の対象となる。
特例措置では、申告書に適用を受ける旨を記載した非上場株式等が対象となり、3分の2までという上限はないため、贈与を受けたすべての株式が対象となる。
関連条文解説で引用
- 措置法第70条の7の5第1項
出典:日本FP協会 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定学科試験 2020年9月 問60 を加工して作成。本サイトは非公式の学習サイトです。
解説は2020年4月1日時点の法令に基づきます。基準日以降の改正が反映されていない場合があります。本サイトの解説は学習補助を目的とし、税務・投資・法律に関する助言ではありません。