相続・事業承継2020年10月1日時点の法令に基づく出題です
2021年1月 FP2級学科 問57
宅地および宅地の上に存する権利に係る相続税における評価に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、評価の対象となる宅地は、借地権の取引慣行のある地域にあるものとする。また、宅地の上に存する権利は、定期借地権および一時使用目的の借地権等を除くものとする。
- 1Aさんが、借地権の設定に際して通常の権利金を支払って賃借した宅地の上にAさん名義の自宅を建築して居住していた場合において、Aさんの相続が開始したときには、相続税額の計算上、その賃借している宅地の上に存するAさんの権利の価額は、借地権として評価する。
- 2Bさんが所有する従前宅地であった土地を、車庫などの施設がない青空駐車場として提供していた場合において、Bさんの相続が開始したときには、相続税額の計算上、その土地の価額は、貸宅地として評価する。
- 3Cさんが所有する宅地の上にCさん名義のアパートを建築して賃貸していた場合において、Cさんの相続が開始したときには、相続税額の計算上、そのアパートの敷地の用に供されている宅地の価額は、貸家建付地として評価する。
- 4Dさんが、借地権の設定に際して通常の権利金を支払って賃借した宅地の上にDさん名義のアパートを建築して賃貸していた場合において、Dさんの相続が開始したときには、相続税額の計算上、その賃借している宅地の上に存するDさんの権利の価額は、貸家建付借地権として評価する。
正解と解説AI解説
正解 肢2
本問の論点
宅地の上に存する権利と、貸し付けられた宅地の相続税評価上の区分を問う問題である。借地権、貸宅地、貸家建付地、貸家建付借地権の区別が論点となる。
正解の根拠
借地権は、建物の所有を目的とする地上権または土地の賃借権である(借地借家法第2条第1項第1号)。青空駐車場のように建物の所有を目的としない貸付けは借地権の設定にあたらず、その土地は貸宅地ではなく自用地として評価する。肢2は貸宅地としており誤りである。よって、正解は肢2。
各肢の検討
肢1:建物の所有を目的として通常の権利金を支払って借りた宅地の上の権利は借地権として評価するため適切。
肢2:建物の所有を目的としない青空駐車場は借地権に当たらず、貸宅地ではなく自用地として評価するため不適切。
肢3:自己所有の宅地にアパートを建てて賃貸している場合の敷地は貸家建付地として評価するため適切。
肢4:借地上に自己名義のアパートを建てて賃貸している場合、その借地権は貸家建付借地権として評価するため適切。
一言まとめ
「建物を所有する目的の貸付けか」が分かれ目である。青空駐車場のように建物所有を目的としない貸付けは、貸宅地にならないと覚える。
一問一答各肢の正誤
○肢1Aさんが、借地権の設定に際して通常の権利金を支払って賃借した宅地の上にAさん名義の自宅を建築して居住していた場合において、Aさんの相続が開始したときには、相続税額の計算上、その賃借している宅地の上に存するAさんの権利の価額は、借地権として評価する。
通常の権利金を支払い、建物の所有を目的として賃借した宅地の上に存する権利は借地権であり、借地権として評価するため正しい。
×肢2Bさんが所有する従前宅地であった土地を、車庫などの施設がない青空駐車場として提供していた場合において、Bさんの相続が開始したときには、相続税額の計算上、その土地の価額は、貸宅地として評価する。
車庫などの施設がない青空駐車場は建物の所有を目的とせず借地権に当たらないため、貸宅地ではなく自用地として評価する。
○肢3Cさんが所有する宅地の上にCさん名義のアパートを建築して賃貸していた場合において、Cさんの相続が開始したときには、相続税額の計算上、そのアパートの敷地の用に供されている宅地の価額は、貸家建付地として評価する。
自己所有の宅地にアパートを建築して賃貸している場合、その敷地の用に供されている宅地は貸家建付地として評価するため正しい。
○肢4Dさんが、借地権の設定に際して通常の権利金を支払って賃借した宅地の上にDさん名義のアパートを建築して賃貸していた場合において、Dさんの相続が開始したときには、相続税額の計算上、その賃借している宅地の上に存するDさんの権利の価額は、貸家建付借地権として評価する。
借地権の上に自己名義のアパートを建築して賃貸している場合、その借地権は貸家建付借地権として評価するため正しい。
関連条文解説で引用
- 借地借家法第2条第1項第1号
出典:日本FP協会 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定学科試験 2021年1月 問57 を加工して作成。本サイトは非公式の学習サイトです。
解説は2020年10月1日時点の法令に基づきます。基準日以降の改正が反映されていない場合があります。本サイトの解説は学習補助を目的とし、税務・投資・法律に関する助言ではありません。