タックスプランニング2020年10月1日時点の法令に基づく出題です
2021年5月 FP2級学科 問40
会社と役員間の取引に係る所得税・法人税に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 1役員が会社に無利息で金銭の貸付けを行った場合、原則として、通常収受すべき利息に相当する金額が、その役員の雑所得の収入金額に算入される。
- 2会社が役員に支給した退職金は、不相当に高額な部分の金額など一定のものを除き、その会社の所得金額の計算上、損金の額に算入される。
- 3会社が役員の所有する土地を適正な時価よりも低い価額で取得した場合、その適正な時価と実際に支払った対価との差額が、その会社の所得金額の計算上、益金の額に算入される。
- 4役員が会社の所有する社宅に無償で居住している場合、原則として、通常の賃貸料相当額が、その役員の給与所得の収入金額に算入される。
正解と解説AI解説
正解 肢1
本問の論点
会社と役員の間で行われる取引について、所得税と法人税の取扱いを問う問題である。「最も不適切なもの」を選ぶので、記述が誤っている肢を見つける。貸付け・退職金・土地の譲渡・社宅の無償提供という四つの場面が並んでいる。
正解の根拠
役員が会社に無利息で金銭を貸し付けた場合、貸主である役員は利息を受け取っていない。通常収受すべき利息相当額が課税対象の収入として扱われるのは、会社から低い利率で借り入れた役員の側である。貸し付けた役員の雑所得の収入金額に利息相当額が算入されるとする肢1は、貸主と借主を取り違えた誤りである。よって、正解は肢1。
各肢の検討
肢1:上記のとおり、無利息で貸し付けた役員に利息相当額の収入は生じないため不適切。
肢2:法人税法第34条第2項により、不相当に高額な部分を除き損金の額に算入されるため適切。
肢3:時価より低い価額で土地を取得した会社は、時価と対価の差額を益金の額に算入するため適切。
肢4:社宅に無償で居住する役員には、通常の賃貸料相当額が給与所得の収入金額に算入されるため適切。
一言まとめ
無利息貸付けの利益は借りた側に生じる。貸主と借主のどちらの課税かを、まず取り違えないことが判断のコツである。
一問一答各肢の正誤
×肢1役員が会社に無利息で金銭の貸付けを行った場合、原則として、通常収受すべき利息に相当する金額が、その役員の雑所得の収入金額に算入される。
役員が会社に無利息で貸し付けても、貸主の役員は利息を受け取っておらず、利息相当額が貸主の雑所得の収入金額に算入されることはない。
○肢2会社が役員に支給した退職金は、不相当に高額な部分の金額など一定のものを除き、その会社の所得金額の計算上、損金の額に算入される。
役員に支給する退職金は、不相当に高額な部分の金額として政令で定める金額を除き、会社の所得金額の計算上、損金の額に算入される。
○肢3会社が役員の所有する土地を適正な時価よりも低い価額で取得した場合、その適正な時価と実際に支払った対価との差額が、その会社の所得金額の計算上、益金の額に算入される。
会社が役員から時価より低い価額で土地を取得した場合、時価と実際に支払った対価との差額は会社の益金の額に算入される。
○肢4役員が会社の所有する社宅に無償で居住している場合、原則として、通常の賃貸料相当額が、その役員の給与所得の収入金額に算入される。
役員が会社の社宅に無償で居住している場合、通常の賃貸料相当額が給与所得の収入金額に算入される。
関連条文解説で引用
- 法人税法第34条第2項
出典:日本FP協会 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定学科試験 2021年5月 問40 を加工して作成。本サイトは非公式の学習サイトです。
解説は2020年10月1日時点の法令に基づきます。基準日以降の改正が反映されていない場合があります。本サイトの解説は学習補助を目的とし、税務・投資・法律に関する助言ではありません。