相続・事業承継2020年10月1日時点の法令に基づく出題です
2021年5月 FP2級学科 問58
遺産分割対策等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 1被相続人の財産の維持や増加について特別の寄与をした相続人について認められる寄与分の額は、原則として共同相続人の協議によって定めるが、協議が調わないときは、寄与をした者の請求により家庭裁判所が寄与分を定める。
- 2代償分割により特定の財産(遺産)を取得した相続人から他の相続人に交付された代償財産が不動産や株式であっても、その不動産や株式を交付した相続人には、譲渡所得として所得税が課されることはない。
- 3被相続人が、推定相続人と話し合って生前に家庭裁判所に遺留分の放棄をする旨を申立てさせることは、遺産分割対策として効果的である。
- 4公正証書遺言により相続分や遺産分割方法を指定しておくことは、遺産分割における相続人間のトラブルの発生を防止する対策として効果的である。
正解と解説AI解説
正解 肢2
本問の論点
遺産分割対策に関する四つの記述のうち、最も不適切なものを選ぶ問題である。寄与分、代償分割の課税関係、遺留分の放棄、公正証書遺言という各制度の基本を確認する。
正解の根拠
代償分割で不動産や株式などの代償財産を交付した相続人は、その財産を譲渡したものとして扱われ、譲渡所得として所得税が課される場合がある。「課されることはない」と言い切る肢2は誤りである。よって、正解は肢2。
各肢の検討
肢1:寄与分は、まず共同相続人の協議で定め、協議が調わないときは寄与をした者の請求により家庭裁判所が定める(民法第904条の2第2項)。記述は正しい。
肢2:上記のとおり、交付した側に譲渡所得課税が生じ得るため誤り。
肢3:遺留分の放棄は、生前に家庭裁判所へ申し立てて行う方法があり、相続開始前の対策として用いられる。記述は適切である。
肢4:公正証書遺言で相続分や分割方法を指定しておけば、相続人間の争いを防ぐ対策として効果的であり、適切である。
一言まとめ
代償分割で交付する財産が不動産や株式でも、交付した側には譲渡所得課税が生じ得ると覚えておく。
一問一答各肢の正誤
○肢1被相続人の財産の維持や増加について特別の寄与をした相続人について認められる寄与分の額は、原則として共同相続人の協議によって定めるが、協議が調わないときは、寄与をした者の請求により家庭裁判所が寄与分を定める。
寄与分は共同相続人の協議で定め、協議が調わないときは寄与をした者の請求により家庭裁判所が定めるため、記述は正しい。
×肢2代償分割により特定の財産(遺産)を取得した相続人から他の相続人に交付された代償財産が不動産や株式であっても、その不動産や株式を交付した相続人には、譲渡所得として所得税が課されることはない。
代償分割で不動産や株式を交付した相続人には、譲渡所得として所得税が課される場合があり、課されることはないとする点が誤り。
○肢3被相続人が、推定相続人と話し合って生前に家庭裁判所に遺留分の放棄をする旨を申立てさせることは、遺産分割対策として効果的である。
遺留分の放棄は生前に家庭裁判所へ申し立てて行う方法があり、遺産分割対策として効果的であるという記述は正しい。
○肢4公正証書遺言により相続分や遺産分割方法を指定しておくことは、遺産分割における相続人間のトラブルの発生を防止する対策として効果的である。
公正証書遺言で相続分や遺産分割方法を指定しておけば、相続人間のトラブルの防止に効果的であり、記述は正しい。
関連条文解説で引用
- 民法第904条の2第1項
- 民法第904条の2第2項
出典:日本FP協会 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定学科試験 2021年5月 問58 を加工して作成。本サイトは非公式の学習サイトです。
解説は2020年10月1日時点の法令に基づきます。基準日以降の改正が反映されていない場合があります。本サイトの解説は学習補助を目的とし、税務・投資・法律に関する助言ではありません。