不動産2022年4月1日時点の法令に基づく出題です
2022年9月 FP2級学科 問43
不動産の売買契約に係る民法の規定に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、特約については考慮しないものとする。
- 1売買契約締結後、買主の責めに帰すことのできない事由により、当該契約の目的物の引渡債務の全部が履行不能となった場合、買主は、履行の催告をすることなく、直ちに契約の解除をすることができる。
- 2売主が種類または品質に関して契約の内容に適合しないことを過失なく知らないまま、売買契約の目的物を買主に引き渡した場合、買主は、不適合を知った時から1年以内にその旨を売主に通知しないときは、その不適合を理由として契約の解除をすることができない。
- 3買主が売主に解約手付を交付した後、売買代金の一部を支払った場合、売主は、受領した代金を返還し、かつ、手付金の倍額を現実に提供しても、契約を解除することができない。
- 4売買の目的物である建物が、その売買契約の締結から当該建物の引渡しまでの間に、台風によって全壊した場合、売主の責めに帰すことのできない事由であることから、買主は、売主に対して建物代金の支払いを拒むことはできない。
正解と解説AI解説
正解 肢4
本問の論点
改正後の民法における売買契約の解除、契約不適合の通知期間、解約手付、危険負担を問う問題である。特に、目的物の滅失が引渡しの前か後かによって、買主が代金の支払を拒めるかが変わる点が重要である。
正解の根拠
買主が代金の支払を拒むことができないとされるのは、引渡しがあった時以後に当事者双方の責めに帰することができない事由によって目的物が滅失した場合である(民法第567条第1項)。肢4の建物は引渡し前に台風で全壊しており、買主は代金の支払を拒むことができる。よって、正解は肢4。
各肢の検討
肢1:引渡債務の全部が履行不能となった場合、買主は催告をすることなく直ちに契約の解除ができる。適切。
肢2:売主が不適合を知らず重大な過失もない場合、買主が知った時から一年以内に通知しないと解除はできない(民法第566条第1項)。適切。
肢3:解約手付による解除は、相手方が履行に着手した後はできない(民法第557条第1項)。買主が代金の一部を支払った後は、売主は解除できない。適切。
肢4:引渡し前の滅失であり、買主は代金の支払を拒むことができる。不適切。
一言まとめ
危険は引渡しで買主に移る。引渡し前の不可抗力による滅失なら買主は代金の支払を拒める。
一問一答各肢の正誤
○肢1売買契約締結後、買主の責めに帰すことのできない事由により、当該契約の目的物の引渡債務の全部が履行不能となった場合、買主は、履行の催告をすることなく、直ちに契約の解除をすることができる。
引渡債務の全部が履行不能となった場合、買主は履行の催告をすることなく直ちに契約の解除をすることができる。
○肢2売主が種類または品質に関して契約の内容に適合しないことを過失なく知らないまま、売買契約の目的物を買主に引き渡した場合、買主は、不適合を知った時から1年以内にその旨を売主に通知しないときは、その不適合を理由として契約の解除をすることができない。
売主が不適合を知らず重大な過失もない場合、買主が不適合を知った時から一年以内にその旨を通知しないときは、契約の解除をすることができない。
○肢3買主が売主に解約手付を交付した後、売買代金の一部を支払った場合、売主は、受領した代金を返還し、かつ、手付金の倍額を現実に提供しても、契約を解除することができない。
解約手付による解除は相手方が契約の履行に着手した後はできないため、買主が代金の一部を支払った後は、売主は倍額を現実に提供しても解除できない。
×肢4売買の目的物である建物が、その売買契約の締結から当該建物の引渡しまでの間に、台風によって全壊した場合、売主の責めに帰すことのできない事由であることから、買主は、売主に対して建物代金の支払いを拒むことはできない。
引渡し前に当事者双方の責めに帰することができない事由で建物が全壊した場合、買主は代金の支払を拒むことができる。
関連条文解説で引用
- 民法第566条第1項
- 民法第557条第1項
出典:日本FP協会 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定学科試験 2022年9月 問43 を加工して作成。本サイトは非公式の学習サイトです。
解説は2022年4月1日時点の法令に基づきます。基準日以降の改正が反映されていない場合があります。本サイトの解説は学習補助を目的とし、税務・投資・法律に関する助言ではありません。