タックスプランニング2022年10月1日時点の法令に基づく出題です
2023年1月 FP2級学科 問39
会社と役員間の取引に係る所得税・法人税に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 1会社が役員からの借入金について債務免除を受けた場合、会社はその債務免除を受けた金額を益金の額に算入する。
- 2会社が役員に対して無利息で金銭の貸付けを行った場合、原則として、通常収受すべき利息に相当する金額が、会社の益金の額に算入される。
- 3役員が所有する建物を適正な時価の2分の1以上かつ時価未満の価額で会社に譲渡した場合、役員は、時価相当額を譲渡価額として譲渡所得の計算を行う。
- 4会社が役員に対して支給した退職金は、不相当に高額な部分の金額など一定のものを除き、損金の額に算入することができる。
正解と解説AI解説
正解 肢3
本問の論点
会社と役員の間の取引について、会社側の法人税での益金・損金の扱いと、役員側の所得税での譲渡所得の計算を問う問題である。低額譲渡と役員退職金が主な論点となる。
正解の根拠
個人が法人に資産を譲渡した場合に時価で譲渡したものとみなされるのは、譲渡価額が時価の2分の1未満のときである。時価の2分の1以上かつ時価未満の価額による譲渡であれば、原則として実際の譲渡価額により譲渡所得を計算する。肢3は時価相当額を譲渡価額とするとしている点が誤りである。よって、正解は肢3。
各肢の検討
肢1:適切。会社が役員から借入金の債務免除を受けると、その金額が会社の益金の額に算入される。
肢2:適切。会社が役員に無利息で金銭を貸し付けた場合、原則として通常収受すべき利息に相当する金額が会社の益金の額に算入される。
肢3:不適切。時価の2分の1以上かつ時価未満の価額による譲渡は、原則として実際の譲渡価額で譲渡所得を計算し、時価相当額を譲渡価額とするのではない。
肢4:適切。役員に支給する給与の額のうち不相当に高額な部分の金額は損金の額に算入しない(法人税法第34条第2項)。こうした一定のものを除き、役員退職金は損金の額に算入できる。
一言まとめ
役員から会社への低額譲渡は「時価の2分の1未満なら時価で譲渡したとみなす」、2分の1以上なら実際の譲渡価額で計算すると押さえる。
一問一答各肢の正誤
○肢1会社が役員からの借入金について債務免除を受けた場合、会社はその債務免除を受けた金額を益金の額に算入する。
会社が役員から借入金の債務免除を受けた場合、返済義務の消滅による利益として、その免除を受けた金額が会社の益金の額に算入される。
○肢2会社が役員に対して無利息で金銭の貸付けを行った場合、原則として、通常収受すべき利息に相当する金額が、会社の益金の額に算入される。
会社が役員に無利息で金銭を貸し付けた場合、原則として通常収受すべき利息に相当する金額が会社の益金の額に算入される。
×肢3役員が所有する建物を適正な時価の2分の1以上かつ時価未満の価額で会社に譲渡した場合、役員は、時価相当額を譲渡価額として譲渡所得の計算を行う。
時価で譲渡したものとみなされるのは時価の2分の1未満の価額による譲渡であり、2分の1以上かつ時価未満なら原則として実際の譲渡価額で譲渡所得を計算する。
○肢4会社が役員に対して支給した退職金は、不相当に高額な部分の金額など一定のものを除き、損金の額に算入することができる。
役員に支給する給与の額のうち不相当に高額な部分の金額などは損金の額に算入されないが、それらを除けば役員退職金は損金の額に算入できる。
関連条文解説で引用
- 法人税法第34条第2項
- 法人税法第34条第3項
出典:日本FP協会 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定学科試験 2023年1月 問39 を加工して作成。本サイトは非公式の学習サイトです。
解説は2022年10月1日時点の法令に基づきます。基準日以降の改正が反映されていない場合があります。本サイトの解説は学習補助を目的とし、税務・投資・法律に関する助言ではありません。