相続・事業承継2022年10月1日時点の法令に基づく出題です
2023年1月 FP2級学科 問59
小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例(以下「本特例」という)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、記載のない事項については、本特例の適用要件を満たしているものとする。
- 1被相続人の配偶者が、被相続人が居住の用に供していた宅地を相続により取得した場合、相続税の申告期限までにその宅地を売却したとしても、本特例の適用を受けることができる。
- 2相続開始の直前において被相続人と同居していなかった被相続人の配偶者が、被相続人が居住の用に供していた宅地を相続により取得した場合、本特例の適用を受けることはできない。
- 3被相続人の子が相続により取得した宅地が、本特例における特定事業用宅地等に該当する場合、その宅地のうち400㎡までを限度面積として、評価額の80%相当額を減額した金額を、相続税の課税価格に算入すべき価額とすることができる。
- 4相続人以外の親族が、被相続人が居住の用に供していた宅地を遺贈により取得した場合であっても、本特例の適用を受けることができる。
正解と解説AI解説
正解 肢2
本問の論点
小規模宅地等の特例における特定居住用宅地等の取得者の要件と、特定事業用宅地等の限度面積・減額割合を問う問題である。取得者が配偶者の場合に同居や保有継続の要件があるかがポイントとなる。
正解の根拠
措置法第69条の4第3項第2号は、特定居住用宅地等を、被相続人の配偶者又は要件のいずれかを満たす親族(配偶者を除く)が相続又は遺贈により取得したものと定めている。同居や申告期限までの保有継続などの要件は親族についてのもので、配偶者には課されていないため、同居していなかった配偶者は適用を受けられないとする肢2は不適切である。よって、正解は肢2。
各肢の検討
肢1:適切。配偶者には保有継続の要件がなく、申告期限までに売却しても適用を受けられる。
肢2:不適切。配偶者には同居の要件がなく、同居していなかった配偶者も適用を受けられる。
肢3:適切。限度面積は400㎡以下である(措置法第69条の4第2項第1号)。算入額は価額に百分の二十を乗じた金額で、80%相当額が減額される(措置法第69条の4第1項第1号)。
肢4:適切。取得者は相続又は遺贈により取得した親族とされ、相続人に限られない。
一言まとめ
特定居住用宅地等は、配偶者なら同居・保有継続の要件は不要と押さえる。
一問一答各肢の正誤
○肢1被相続人の配偶者が、被相続人が居住の用に供していた宅地を相続により取得した場合、相続税の申告期限までにその宅地を売却したとしても、本特例の適用を受けることができる。
特定居住用宅地等の取得者が配偶者である場合、申告期限まで宅地等を有する要件は課されていないため、申告期限までに売却しても適用を受けられる。
×肢2相続開始の直前において被相続人と同居していなかった被相続人の配偶者が、被相続人が居住の用に供していた宅地を相続により取得した場合、本特例の適用を受けることはできない。
配偶者が取得した場合には同居の要件がなく、相続開始の直前に同居していなかった配偶者も本特例の適用を受けられる。
○肢3被相続人の子が相続により取得した宅地が、本特例における特定事業用宅地等に該当する場合、その宅地のうち400㎡までを限度面積として、評価額の80%相当額を減額した金額を、相続税の課税価格に算入すべき価額とすることができる。
特定事業用宅地等の限度面積は400㎡以下で、課税価格に算入すべき価額は価額に百分の二十を乗じた金額となるため、80%相当額が減額される。
○肢4相続人以外の親族が、被相続人が居住の用に供していた宅地を遺贈により取得した場合であっても、本特例の適用を受けることができる。
特定居住用宅地等は要件を満たす親族が相続又は遺贈により取得したものとされ、相続人に限られないため、相続人以外の親族が遺贈で取得しても適用を受けられる。
関連条文解説で引用
- 措置法第69条の4第3項第2号
- 措置法第69条の4第2項第1号
- 措置法第69条の4第1項第1号
出典:日本FP協会 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定学科試験 2023年1月 問59 を加工して作成。本サイトは非公式の学習サイトです。
解説は2022年10月1日時点の法令に基づきます。基準日以降の改正が反映されていない場合があります。本サイトの解説は学習補助を目的とし、税務・投資・法律に関する助言ではありません。