不動産2023年4月1日時点の法令に基づく出題です
2023年9月 FP2級学科 問42
不動産の鑑定評価の手法に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 1原価法は、価格時点における対象不動産の再調達原価を求め、この再調達原価について減価修正を行って対象不動産の価格を求める手法である。
- 2取引事例比較法では、取引事例の取引時点が価格時点と異なり、その間に価格水準の変動があると認められる場合、当該取引事例の価格を価格時点の価格に修正する必要がある。
- 3収益還元法は、対象不動産が将来生み出すであろうと期待される純収益の現在価値の総和を求めることにより、対象不動産の価格を求める手法である。
- 4収益還元法は、文化財の指定を受けた建造物等の一般的に市場性を有しない不動産や賃貸の用に供されていない自用の不動産の価格を求める際には、基本的に適用してはならないとされる。
正解と解説AI解説
正解 肢4
本問の論点
不動産の鑑定評価の三手法である原価法・取引事例比較法・収益還元法について、それぞれの考え方と適用範囲を問う問題である。
正解の根拠
収益還元法は、対象不動産が将来生み出すと期待される純収益の現在価値の総和を求めて価格を求める手法である。文化財の指定を受けた建造物等の一般的に市場性を有しない不動産以外のものには基本的にすべて適用すべきものとされ、賃貸の用に供されていない自用の不動産であっても、賃貸を想定することにより適用される。肢4は、自用の不動産にも基本的に適用してはならないとしている点が誤りである。よって、正解は肢4。
各肢の検討
肢1:原価法は再調達原価に減価修正を行って価格を求める手法であり、適切。
肢2:取引事例比較法では、取引時点と価格時点の間に価格水準の変動があれば、事例の価格を価格時点の価格に修正する(時点修正)ため適切。
肢3:収益還元法は純収益の現在価値の総和から価格を求める手法であり、適切。
肢4:自用の不動産も賃貸を想定して収益還元法を適用するため不適切。
一言まとめ
収益還元法を適用しないのは市場性を有しない不動産であり、自用の不動産には賃貸を想定して適用する、と区別して覚える。
一問一答各肢の正誤
○肢1原価法は、価格時点における対象不動産の再調達原価を求め、この再調達原価について減価修正を行って対象不動産の価格を求める手法である。
原価法は、価格時点における再調達原価を求め、これに減価修正を行って対象不動産の価格(積算価格)を求める手法である。
○肢2取引事例比較法では、取引事例の取引時点が価格時点と異なり、その間に価格水準の変動があると認められる場合、当該取引事例の価格を価格時点の価格に修正する必要がある。
取引事例比較法では、取引時点と価格時点の間に価格水準の変動があれば、事例の価格を価格時点の価格に修正(時点修正)する。
○肢3収益還元法は、対象不動産が将来生み出すであろうと期待される純収益の現在価値の総和を求めることにより、対象不動産の価格を求める手法である。
収益還元法は、対象不動産が将来生み出すと期待される純収益の現在価値の総和を求めて価格(収益価格)を求める手法である。
×肢4収益還元法は、文化財の指定を受けた建造物等の一般的に市場性を有しない不動産や賃貸の用に供されていない自用の不動産の価格を求める際には、基本的に適用してはならないとされる。
収益還元法は、市場性を有しない不動産以外には広く適用すべきとされ、自用の不動産でも賃貸を想定することにより適用される。
出典:日本FP協会 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定学科試験 2023年9月 問42 を加工して作成。本サイトは非公式の学習サイトです。
解説は2023年4月1日時点の法令に基づきます。基準日以降の改正が反映されていない場合があります。本サイトの解説は学習補助を目的とし、税務・投資・法律に関する助言ではありません。