不動産2023年4月1日時点の法令に基づく出題です
2023年9月 FP2級学科 問43
不動産の売買契約に係る民法の規定に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、特約については考慮しないものとする。
- 1同一の不動産について二重に売買契約が締結された場合、譲受人相互間においては、売買契約の締結の先後にかかわらず、原則として、所有権移転登記を先にした者が、当該不動産の所有権の取得を他方に対抗することができる。
- 2不動産の売買契約において買主が売主に手付金を交付した場合、売主が契約の履行に着手する前であれば、買主はその手付金を放棄することで契約を解除することができる。
- 3不動産が共有されている場合に、各共有者が、自己の有している持分を第三者に譲渡するときは、他の共有者の同意を得る必要がある。
- 4売買の目的物である建物が、その売買契約の締結から当該建物の引渡しまでの間に、地震によって全壊した場合、買主は、売主に対する建物代金の支払いを拒むことができる。
正解と解説AI解説
正解 肢3
本問の論点
不動産の売買に関する民法の基本ルールとして、二重譲渡の対抗要件、手付による解除、共有持分の処分、引渡し前に目的物が滅失した場合の代金支払を問う問題である。
正解の根拠
各共有者は、共有物全体ではなく自己の持分については単独で処分することができる。そのため、自己の持分を第三者に譲渡するときに、他の共有者の同意を得る必要はない。肢3は、持分の譲渡にも他の共有者の同意が必要としている点で誤りである。よって、正解は肢3。
各肢の検討
肢1:不動産の物権変動は登記がなければ第三者に対抗できないため、二重譲渡では先に所有権移転登記をした者が優先し、適切。
肢2:買主は手付を放棄して契約の解除をすることができ、制限されるのは相手方が契約の履行に着手した後である(民法第557条第1項)。売主の着手前であれば解除でき、適切。
肢3:自己の持分の譲渡に他の共有者の同意は不要であり、不適切。
肢4:引渡し前に当事者双方の責めに帰することができない地震で建物が全壊した場合、買主は代金の支払を拒むことができ、適切。
一言まとめ
自己の持分の譲渡は単独で自由にでき、他の共有者の同意は不要である。
一問一答各肢の正誤
○肢1同一の不動産について二重に売買契約が締結された場合、譲受人相互間においては、売買契約の締結の先後にかかわらず、原則として、所有権移転登記を先にした者が、当該不動産の所有権の取得を他方に対抗することができる。
不動産の物権変動は登記をしなければ第三者に対抗できないため、二重譲渡では契約の先後にかかわらず先に所有権移転登記をした者が優先する。
○肢2不動産の売買契約において買主が売主に手付金を交付した場合、売主が契約の履行に着手する前であれば、買主はその手付金を放棄することで契約を解除することができる。
買主は手付を放棄して契約の解除をすることができ、これができなくなるのは相手方が契約の履行に着手した後である。
×肢3不動産が共有されている場合に、各共有者が、自己の有している持分を第三者に譲渡するときは、他の共有者の同意を得る必要がある。
各共有者は自己の持分を単独で処分でき、持分を第三者に譲渡する際に他の共有者の同意を得る必要はない。
○肢4売買の目的物である建物が、その売買契約の締結から当該建物の引渡しまでの間に、地震によって全壊した場合、買主は、売主に対する建物代金の支払いを拒むことができる。
引渡し前に当事者双方の責めに帰することができない地震で建物が全壊した場合、買主は代金の支払を拒むことができる(危険負担)。
関連条文解説で引用
- 民法第557条第1項
出典:日本FP協会 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定学科試験 2023年9月 問43 を加工して作成。本サイトは非公式の学習サイトです。
解説は2023年4月1日時点の法令に基づきます。基準日以降の改正が反映されていない場合があります。本サイトの解説は学習補助を目的とし、税務・投資・法律に関する助言ではありません。