相続・事業承継2023年10月1日時点の法令に基づく出題です
2024年5月 FP2級学科 問60
中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律による「遺留分に関する民法の特例」(以下「本特例」という)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 1会社事業後継者が本特例の適用を受けるためには、遺留分を有する旧代表者の推定相続人および会社事業後継者全員の書面による合意が必要である。
- 2本特例の適用を受けることにより、会社事業後継者が旧代表者から贈与により取得した自社株式について、その価額を、遺留分を算定するための財産の価額に算入しないことができる。
- 3本特例の適用を受けることにより、会社事業後継者が旧代表者から贈与により取得した自社株式について、遺留分を算定するための財産の価額に算入すべき価額を、本特例の適用に係る合意をした時点の価額とすることができる。
- 4本特例の対象となる会社事業後継者は、旧代表者の親族に限られる。
正解と解説AI解説
正解 肢4
本問の論点
経営承継円滑化法の「遺留分に関する民法の特例」について、合意の当事者と方式、除外合意・固定合意の内容、会社事業後継者の範囲を問う問題である。
正解の根拠
経営承継円滑化法第3条第3項は、会社事業後継者を、株式等受贈者又はその者から株式等を相続により取得した者で、議決権の過半数を有し、かつ、特例中小会社の代表者である者と定めている。旧代表者の親族であることは要件とされておらず、親族以外の者も該当し得る。よって、正解は肢4。
各肢の検討
肢1:適切。旧代表者の推定相続人及び会社事業後継者は、その全員の合意をもって、書面により本特例の定めをすることができる(経営承継円滑化法第4条第1項)。
肢2:適切。贈与により取得した株式等の価額を遺留分を算定するための財産の価額に算入しない定め(除外合意)ができる(経営承継円滑化法第4条第1項第1号)。
肢3:適切。算入すべき価額を合意の時における価額とする定め(固定合意)ができる。ただし、弁護士・税理士等が相当な価額として証明したものに限る(経営承継円滑化法第4条第1項第2号)。
肢4:不適切。会社事業後継者の要件に親族であることは含まれていない(経営承継円滑化法第3条第3項)。
一言まとめ
除外合意・固定合意は推定相続人と後継者全員の書面合意で行い、後継者は親族に限られない、と押さえる。
一問一答各肢の正誤
○肢1会社事業後継者が本特例の適用を受けるためには、遺留分を有する旧代表者の推定相続人および会社事業後継者全員の書面による合意が必要である。
旧代表者の推定相続人及び会社事業後継者は、その全員の合意をもって書面により本特例の定めをすることができるため、適切である。
○肢2本特例の適用を受けることにより、会社事業後継者が旧代表者から贈与により取得した自社株式について、その価額を、遺留分を算定するための財産の価額に算入しないことができる。
贈与により取得した株式等の価額を遺留分を算定するための財産の価額に算入しない定め(除外合意)をすることができるため、適切である。
○肢3本特例の適用を受けることにより、会社事業後継者が旧代表者から贈与により取得した自社株式について、遺留分を算定するための財産の価額に算入すべき価額を、本特例の適用に係る合意をした時点の価額とすることができる。
算入すべき価額を合意の時における価額(弁護士・公認会計士・税理士等が相当な価額として証明したものに限る)とする定め(固定合意)ができるため、適切である。
×肢4本特例の対象となる会社事業後継者は、旧代表者の親族に限られる。
会社事業後継者は、株式等受贈者等で議決権の過半数を有し、かつ代表者である者と定義され、旧代表者の親族であることは要件ではないため、不適切である。
関連条文解説で引用
- 経営承継円滑化法第4条第1項
- 経営承継円滑化法第4条第1項第1号
- 経営承継円滑化法第9条第1項
- 経営承継円滑化法第4条第1項第2号
- 経営承継円滑化法第9条第2項
- 経営承継円滑化法第3条第3項
出典:日本FP協会 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定学科試験 2024年5月 問60 を加工して作成。本サイトは非公式の学習サイトです。
解説は2023年10月1日時点の法令に基づきます。基準日以降の改正が反映されていない場合があります。本サイトの解説は学習補助を目的とし、税務・投資・法律に関する助言ではありません。