相続・事業承継2024年4月1日時点の法令に基づく出題です
2024年9月 FP2級学科 問54
任意後見制度に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 1任意後見制度では、本人が十分な判断能力を有しているときに、本人が、任意後見人となる者や委任する事務を契約によりあらかじめ定めておくことができる。
- 2任意後見契約は、所定の様式の公正証書によってしなければならない。
- 3任意後見契約は、本人の判断能力が低下して事理を弁識する能力が不十分な状況となった時からその効力が生じる。
- 4任意後見監督人は家庭裁判所により選任されるが、任意後見人の配偶者、直系血族および兄弟姉妹は任意後見監督人となることができない。
正解と解説AI解説
正解 肢3
本問の論点
任意後見制度の仕組み、すなわち契約の締結時期、契約の方式、効力が生じる時期、任意後見監督人の選任と欠格事由を問う問題である。法定後見制度との違いを押さえているかがポイントとなる。
正解の根拠
任意後見契約は、本人の判断能力が低下しただけでは効力を生じない。本人の判断能力が不十分な状況になった後、本人や親族等の請求により家庭裁判所が任意後見監督人を選任した時から、契約の効力が生じる仕組みである。判断能力の低下時点で当然に効力が生じるとする記述は誤りである。よって、正解は肢3。
各肢の検討
肢1:適切。任意後見制度は、本人に十分な判断能力があるうちに、任意後見人となる者と委任する事務の内容を契約で定めておく制度である。
肢2:適切。任意後見契約は、法務省令で定める様式の公正証書によってしなければならない。
肢3:不適切。効力が生じるのは、家庭裁判所が任意後見監督人を選任した時である。
肢4:適切。任意後見監督人は家庭裁判所が選任し、任意後見人の配偶者、直系血族および兄弟姉妹は任意後見監督人になれない。法定後見でも、後見人の配偶者、直系血族及び兄弟姉妹は後見監督人となることができない(民法第850条第1項)。
一言まとめ
任意後見は「判断能力があるうちに公正証書で契約し、任意後見監督人の選任で効力発生」と一連の流れで覚える。
一問一答各肢の正誤
○肢1任意後見制度では、本人が十分な判断能力を有しているときに、本人が、任意後見人となる者や委任する事務を契約によりあらかじめ定めておくことができる。
任意後見制度は、本人に十分な判断能力があるうちに、任意後見人となる者と委任する事務を契約で定めておく制度であり、記述は正しい。
○肢2任意後見契約は、所定の様式の公正証書によってしなければならない。
任意後見契約は、法務省令で定める様式の公正証書によって締結しなければならず、記述は正しい。
×肢3任意後見契約は、本人の判断能力が低下して事理を弁識する能力が不十分な状況となった時からその効力が生じる。
任意後見契約は判断能力の低下だけでは効力を生じず、家庭裁判所が任意後見監督人を選任した時から効力が生じるため、記述は誤り。
○肢4任意後見監督人は家庭裁判所により選任されるが、任意後見人の配偶者、直系血族および兄弟姉妹は任意後見監督人となることができない。
任意後見監督人は家庭裁判所が選任し、任意後見人の配偶者、直系血族および兄弟姉妹は任意後見監督人となることができないため、記述は正しい。
出典:日本FP協会 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定学科試験 2024年9月 問54 を加工して作成。本サイトは非公式の学習サイトです。
解説は2024年4月1日時点の法令に基づきます。基準日以降の改正が反映されていない場合があります。本サイトの解説は学習補助を目的とし、税務・投資・法律に関する助言ではありません。