不動産2024年4月1日時点の法令に基づく出題です
2025年5月公表分(CBT) FP2級学科 問42
不動産の売買契約に係る民法の規定に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、特約については考慮しないものとする。
- 1売主から代理権を付与された第三者が売主の所有不動産を売却する場合、その第三者が売買契約の締結時に売主の代理人である旨を買主に告げていなければ、買主がその旨を知ることができたとしても、当該契約は無効となる。
- 2共有されている不動産の共有者の1人が、自己が有している持分を第三者に譲渡する場合、他の共有者全員の同意を得なければならない。
- 3売買の目的物である建物が、その売買契約の締結から当該建物の引渡しまでの間に、地震によって全壊した場合、買主は売主に対して建物代金の支払を拒むことができる。
- 4買主が売主に解約手付を交付した場合、相手方が売買契約の履行に着手した後であっても、買主はその解約手付を放棄し、売主はその解約手付の倍額を現実に提供して、当該契約の解除をすることができる。
正解と解説AI解説
正解 肢3
本問の論点
不動産売買に関する民法の基本として、代理の顕名、共有持分の処分、引渡し前の危険負担、解約手付による解除の時期を問う問題である。
正解の根拠
売買契約の締結後、引渡し前に、当事者双方の責めに帰することができない地震で建物が全壊すると、売主の引渡債務は履行不能となる。この場合、債権者である買主は反対給付である代金の支払を拒むことができる。引渡し後の滅失であれば代金の支払を拒めない(民法第567条第1項)のと対比される。よって、正解は肢3。
各肢の検討
肢1:不適切。顕名がなくても、相手方が本人のためにすることを知り、または知ることができたときは、契約は本人に直接効力を生じる。
肢2:不適切。自己の持分の譲渡は各共有者が単独で自由にでき、他の共有者の同意は不要である。
肢3:適切。上記のとおり代金の支払を拒める。
肢4:不適切。手付解除は、相手方が履行に着手した後はできない(民法第557条第1項)。
一言まとめ
危険は引渡しで買主に移る。引渡し前の不可抗力による滅失なら、買主は代金の支払を拒める。
一問一答各肢の正誤
×肢1売主から代理権を付与された第三者が売主の所有不動産を売却する場合、その第三者が売買契約の締結時に売主の代理人である旨を買主に告げていなければ、買主がその旨を知ることができたとしても、当該契約は無効となる。
代理人が本人のためにすることを示さなかった場合でも、相手方が本人のためにすることを知り、または知ることができたときは、契約は本人に対して直接効力を生じ、無効とはならない。
×肢2共有されている不動産の共有者の1人が、自己が有している持分を第三者に譲渡する場合、他の共有者全員の同意を得なければならない。
共有者は自己の持分を単独で自由に処分することができ、持分を第三者に譲渡するのに他の共有者の同意は不要である。
○肢3売買の目的物である建物が、その売買契約の締結から当該建物の引渡しまでの間に、地震によって全壊した場合、買主は売主に対して建物代金の支払を拒むことができる。
引渡し前に当事者双方の責めに帰することができない地震で建物が全壊した場合、売主の引渡債務は履行不能となり、債権者である買主は反対給付である代金の支払を拒むことができる。
×肢4買主が売主に解約手付を交付した場合、相手方が売買契約の履行に着手した後であっても、買主はその解約手付を放棄し、売主はその解約手付の倍額を現実に提供して、当該契約の解除をすることができる。
手付による解除は、その相手方が契約の履行に着手した後はすることができないため、履行着手後であっても解除できるとする記述は誤りである。
関連条文解説で引用
- 民法第557条第1項
出典:日本FP協会 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定学科試験(2025年5月公表分) 問42 を加工して作成。本サイトは非公式の学習サイトです。
解説は2024年4月1日時点の法令に基づきます。基準日以降の改正が反映されていない場合があります。本サイトの解説は学習補助を目的とし、税務・投資・法律に関する助言ではありません。