FP2 / 2020年9月 / 問33公表解答どおり

タックスプランニング2020年4月1日時点の法令に基づく出題です

2020年9月 FP2級学科 問33

所得税における損益通算に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  1. 1上場株式を譲渡したことによる譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額は、総合課税を選択した上場株式の配当所得の金額と損益通算することができない。
  2. 2終身保険の解約返戻金を受け取ったことによる一時所得の金額の計算上生じた損失の金額は、給与所得の金額と損益通算することができない。
  3. 3青色申告の承認を受けていない納税者の事業所得の金額の計算上生じた損失の金額は、他の各種所得の金額と損益通算することができない。
  4. 4別荘を譲渡したことによる譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額は、他の各種所得の金額と損益通算することができない。

正解と解説AI解説

正解 肢3

本問の論点

所得税の損益通算の対象となる損失と、ならない損失を区別できるかを問う問題である。「最も不適切なもの」を選ぶので、誤っている記述を一つ見つければよい。

正解の根拠

所得税法第69条第1項は、不動産所得・事業所得・山林所得・譲渡所得の金額の計算上生じた損失を、他の各種所得の金額から控除すると定めている。この規定には、青色申告の承認を受けているかどうかという要件がなく、青色申告でない納税者の事業所得の損失も、他の所得と損益通算できる。したがって、肢3の「損益通算することができない」は誤りである。よって、正解は肢3。

各肢の検討

肢1:適切。上場株式の譲渡損失は、申告分離課税を選択した配当所得とは損益通算できるが、総合課税を選択した配当所得とは損益通算できない。

肢2:適切。一時所得は損益通算の対象となる四つの所得に含まれず、その損失は給与所得の金額と損益通算できない(所得税法第69条第1項)。

肢3:不適切。事業所得の損失の損益通算に、青色申告の承認は要件とされていない。

肢4:適切。別荘は生活に通常必要でない資産にあたり、その譲渡損失は原則として他の各種所得と損益通算できない(所得税法第69条第2項)。

一言まとめ

損益通算できるのは不動産・事業・山林・譲渡の四所得の損失で、青色申告かどうかは問われない。別荘などの損失は対象外と覚える。

一問一答各肢の正誤

  1. ○肢1上場株式を譲渡したことによる譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額は、総合課税を選択した上場株式の配当所得の金額と損益通算することができない。

    上場株式の譲渡損失は、総合課税を選択した配当所得とは損益通算できず、申告分離課税を選択した配当所得との間でのみ通算できる。

  2. ○肢2終身保険の解約返戻金を受け取ったことによる一時所得の金額の計算上生じた損失の金額は、給与所得の金額と損益通算することができない。

    一時所得は損益通算の対象となる不動産・事業・山林・譲渡の四所得に含まれないため、その損失は給与所得と損益通算できない。

  3. ×肢3青色申告の承認を受けていない納税者の事業所得の金額の計算上生じた損失の金額は、他の各種所得の金額と損益通算することができない。

    事業所得の損失は、青色申告の承認の有無にかかわらず、他の各種所得の金額から控除して損益通算することができる。

  4. ○肢4別荘を譲渡したことによる譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額は、他の各種所得の金額と損益通算することができない。

    別荘は生活に通常必要でない資産にあたり、その譲渡損失は政令で定めるもの以外は生じなかったものとみなされ、他の所得と通算できない。

関連条文解説で引用

  • 所得税法第69条第1項
  • 所得税法第69条第2項

出典:日本FP協会 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定学科試験 2020年9月 問33 を加工して作成。本サイトは非公式の学習サイトです。

解説は2020年4月1日時点の法令に基づきます。基準日以降の改正が反映されていない場合があります。本サイトの解説は学習補助を目的とし、税務・投資・法律に関する助言ではありません。

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